Do you know love？【男主】 (ページ46)

今日:6 hit、昨日:7 hit、合計:12,321 hit

1-11 ページ46

あぁ、わかった気がする

あの日食べたスープの味がどうしてあんなに優しくて美味しいものなのか

『…………真心…』

「そうだよ。アレンが美味しいって言ってくれるようにね」

『…………………真心』

腐ってようがなんであろうが、俺は食えればいいと思ってた。あの日からずっと、あの時からずっと、生きるためならなんだって食ってきた

「まだあるけど、食べるかい？」

『…………いい、のか？』

「もちろんさ！泣くほど気に入ってもらえるなんてこっちは嬉しいよ！持ってくるね！」

キッチンへ戻っていく英二を見ながら、俺は自然と流れ出る涙を拭う
誰かが、俺のために作ってくれた飯なんてあの日とショーターだけだった

俺はなんて、恵まれたんだ

感情を持たないと言われたアンバーハイエナは知った

愛というものがどれほど優しいものなのか

「アレン、おかわりまだ…ってうわ！すごい目が真っ赤だよ…冷やさないと」

「泣きすぎなんだよ、まず」

「そんなにうまいのか？英二の飯」

『………………………今まで、食べた中で…1番、優しい味がする』

「だってよ、ショーター」

「負けてらんねー！」

美味しいんだ

優しいんだ

みんな、優しいから

『…………英二』

「ん？」

『…………また、作ってくれる、か？これを』

「もちろん。キミが気に入ったのなら、また作るよ。いつでもね」

『……………ありがとう』

願わくば

「気にしないでよ。僕もそんなに美味しそうに食べるなんて思ってなかったし、嬉しいよ」

「たしかに。ショーターの飯食べる時は絶対無表情か違和感のある顔だったからな」

「ひっでぇよな〜」

彼らにも、食べさせてやりたい

自分のために作られた飯がこんなにも美味しくて、温かくて、優しいんだということを

教えたい

初めて、俺が他人から“愛”を知った

「ショーターのご飯は、変なの入れなきゃいいのに…」

「隠し味だ！」

「その隠し味で味を台無しにしてんだよ、ハゲ」

「ハゲてねーの！剃ってんの！」

何も知らなかった俺が、知ることができた

優しい味を、そして…なによりも温かい気持ちを