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アッシュside
早くに目が覚めた。今日はやることもあるし、ショーターと行くところがあるから
隣を見れば、ショーターはすでに起きていたし英二はまだ寝ている。アレンは…どこにもいない
(起きたのか?)
あいつは眠りが浅いくせに早起きだったり遅起きだったりとまちまちなのだ。だからいない時は早起き、いる時は遅起き。わかりやすい
「アーッシュ!アレン!起きろよー…って、あれ…アレンは?」
「起きてるんじゃないのか?」
「さあ?」
ショーターは見てないと言うと俺はすぐに立ち上がり、アレンを探した
アレンはどこにでもいる。屋根の上や路地の中、なんなら下水の中にまで。なんでそんなところにと聞いたことがあったけど、アレンは決まって言う
『落ち着く』
わけわかんねえ
「アレン、どこだよー」
呼んでみてもアレンはうんともすんとも言わないし返事もしない。どこにいるのかとキョロキョロしていると、ふんわりと臭ったほのかな血の匂い
「アレン?」
それは上からだった。屋根?
登れる場所から登ってみると、屋根の上に寝そべるアレンがいた
気をつけながら屋根の上を歩きながら、「アレン、起きろよ」と揺り起こすとアレンは起き上がった
ピルッと耳を動かし、ヒクヒクと鼻を鳴らしたアレンは、ぽけっとこちらを見る
寝ぼけているのかトロンとした顔のアレンに「ほら、飯食いに行こうぜ」と手を差し伸べるとその手を引っ張られた
「おわっ!」
前のめりになった俺がアレンの方に飛び込むようにすると、アレンはくぱっと口を開けて俺の首筋に噛みついてきた
「い"!?」
『…………………あれ?』
そこでようやく気づいたらしい。俺の肩を噛んだことを
「アレン…お前…っ」
『……すまん』
「いってぇ…うわっ!歯型くっきり残ってる!」
『………悪い』
ぺしょと耳が垂れ下がったように反省するアレンに「ったく」と息を吐きながら立ち上がり手を差し伸べると、なに?と言う顔になる
「飯、ショーターが用意してる」
『…………………進歩、したのか?』
「変わんねえな」
ショーターの飯は相変わらず変わることがなく、2年経っても腕が上がらないのはもう問題だと思う
張大もショーターの代でおしまいだな
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年12月5日 12時