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大きな腹をこさえた男は2年前と変わりがなく、俺は特に表情を変えることもなく見つめていると「帰ってきたのか」と懐かしむような顔をされた
人殺し相手に普通に話しかけるのもどうかと思うが
「お前さん、アッシュがどこにいるかわかるか？」
『………知らない。俺も、ついさっき帰ってきた』
「そうか…。アッシュは今、イースト・リバー埠頭にいる。オーサーとマービン・クロスビーがアッシュを呼び出したそうだ」
『………オーサーとマービン？』
「そうだ。ディノ・ゴルツィネの手駒だ」
『………ディノ・ゴルツィネ』
あぁ、あいつらか。2年も経てば色々と忘れてしまうものだな
『………それで、俺に何をして欲しい』
「…実は」
ジェンキンズが口を開くと、「あの…」と病室に入っていたはずのアジア人が扉を開けて「キミ…」と俺を呼び止めた
ジェンキンズとチャーリーは俺に病室に入られると不味いなという顔になるが、俺はそんなのお構いなしに歩く
「あ、おい！」
『………どうかしたのか？』
「英ちゃんが、キミにお礼が言いたいって」
『……俺に？』
眉を寄せていると、病室の中にいる子どもがパァッと顔を明るくさせた
まるで本当に子どものようだ。中に入ると「おい、こら！」とチャーリーが慌てて呼び止めてくるのを構いなしに中に入り扉を閉めた
丸椅子に座って点滴に繋がれてベッドに横たわる子どもに『…どうだ』と聞くと、「あなたのおかげで、大丈夫です」と言われた
「あの、救けてくれてありがとうございます」
『………別に、構わない』
「あの、名前を聞いてもいいですか？」
『……アレンだ』
「アレン…僕は英二です」
『……敬語、別にいらない』
「え、あ、うん」
黒髪に黒い瞳、英二と名乗る子どもはなぜこんな大怪我を負ったのか教えてくれた
イースト・リバー埠頭でアッシュたちを助けるために負った怪我だという
何針か縫ったろうに
「アレン、僕…スキップからあなたのことを聞いてたんだ」
『………スキップから？』
「うん…。とても強い、ハイエナがいるって…僕、動物だと思ってたけど人間だって聞いた時驚いちゃった」
照れている英二を見ていると、「アレン」と扉を開けてチャーリーが呼んでくる
部屋の中を見て英二に危害を加えていないのにホッとしたらしく、「ちょっといいか？」と呼んできたので俺は立ち上がり病室をあとにした
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2021年12月5日 12時
