Do you know love？【男主】 (ページ33)

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『(ｸﾞﾙﾙﾙﾙﾙ…』

腹の底から出したその唸り声。目の前にいるのは野生のハイエナとは違ったハイエナだ
敵意を剥き出しにしたハイエナたちに俺はさらに威圧をかけるように唸り声を出せば、ハイエナは負けじと唸る

『(ｶﾞﾙﾙﾙﾙﾙﾙﾙ…』

「「(ｸﾞﾙﾙﾙﾙﾙ」」

唸るばかりで何も起こらない。だが、俺が仕掛けようが奴らが仕掛けようが、ここでは戦場になる
何もわからない知らない、ただこの現状を理解しようとしているアッシュを小脇に抱えて俺は、ハイエナに飛びかかった

「アレン!!」

『(ｶﾞｰｰｰｯｯ!!』

ゴキッとハイエナの骨を折り、倒れたその瞬間に蹴りをかまして壁まで激突させる
「ギャン！」という悲鳴をあげたハイエナの声に火蓋が切って落とされたが如く、ハイエナが襲いかかってくる

足に力を込めて走り抜けていく
人が1人倒れるのがやっとな場所をアッシュを小脇に抱えて気をつけながら中を進んでいけば、「うわうわうわ！」と声をあげている

『…静かにしてろ』

「無理だろ!! 馬鹿！」

ガンガンと俺の腰を殴りまくってくるアッシュに『落とすぞ』と言いながら走っていく

「アレン、なんなんだよ！アレ！」

『………ハイエナ』

「んなことは見りゃわかるんだよ!! なんでハイエナが俺たちを襲うんだよ!!」

『…………多分、俺の首狙い』

「動物が人間を!?」

『……………調教、されたハイエナだ』

ザッザッ、ハッハッという地面を蹴る音と息をする音が耳を掠め、目の前に壁があるのに気づいた

「おい、おい…！おいおいおいおい、激突する!!」

『………奥歯噛み締めて、しっかりつかまってろ』

体を固めたアッシュを一瞥してそのまま壁まで走り、地面を蹴って高く跳び上がり壁を蹴ってさらに宙に上がる
ハイエナが立ち止まって俺たちを見上げているのに対し、アッシュの腰にささっているリボルバーを拝借した

ﾄﾞﾝｯ！

ﾄﾞﾝｯ！

ﾄﾞﾝｯ！

脳天に1発ずつ撃ち込み、パタリと体を倒して絶命したハイエナを見て対空時間が終わりを告げて地面に降りる
ふと小脇のアッシュを見ると、呆然としている上にあんぐりとしている

ストンと下ろしてやるとまだ口を開けて間抜けな顔をしている
リボルバーを手に渡してやると、まだポカーンとしている