Do you know love？【男主】 (ページ32)

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「アメリカに住んでどれぐらい？」

『……………覚えて、ない…ここに来たのは、数年前だったのは覚えてる』

「曖昧だな…。なぁ、ディノとはいつ知り合ってたんだ？」

『……………前に、会った…俺の腕を、買いたいと』

「………承諾したの？」

『…………断った。興味、なかったし』

カランッとフォークを皿の上に乗せて食べ終えたアレンは水をこくりと一飲みして、ナプキンで口元を拭った

「興味があったら、受けてた？」

『………………いや、断ってた』

「ふーん。なんで？」

『…………………俺の』

「？」

『…………いや、なんでもない』

アレンはどこか悲しそうで、辛そうで…何を思っているのか俺には読み取ることのできない顔をした
ただそれがそう見えただけで、アレンはずっと無表情だった

いつだって、こいつは…きっと

「腹膨らんだ？」

『……まあ』

会計を済ませてレストランを出て並んで歩く
俺よりもひとまわりもふたまわりも大きな身長と、俺よりも少し筋肉のある体はとても逞しく見える。憧れている体型とはいえ、パスタ一皿で腹一杯にならない胃袋には憧れを持たない

ダウンタウンのストリートに入り、アレンの根城に向かうために歩きを進めていると、俺の少し前を歩いていたアレンが徐に足を止めた

自分の根城の前で、何かをじっと眺めているのだ

「どうかしたのか？」

『………嫌な、空気がする』

「はあ？なんで？」

『…………引き返そう』

「何言ってるんだよ。お前のアジトだろ？」

『……だからだ』

アレンは俺の手首を引いて歩いていこうとするのに「別に大丈夫だって」と軽はずみに言った俺に、アレンは振り返ってアンバーの瞳の瞳孔をカッと開かせると、『伏せろ!!』と俺を抱き込んだ

ｶﾞｼｬｧｱｧｱﾝ!!

「なっ…!?」

上を見れば、何かが窓から飛び出してきた
窓ガラスを突き破り、窓枠とガラスを浴びた俺たちは小さくなって怪我をしないようにした

地面に落ちるガラス片がアレンの頬を切ると、何かが小さな音を立てて地面に落ちた

「(ｸﾞﾙﾙﾙﾙﾙ…」

「え…」

『…………………』

ハイエナだ

本物のハイエナが目の前にいるのだ

しかも、3匹

「(ｸﾞﾙﾙﾙﾙﾙ」

「！」

別の鳴き声がすると思うと、俺たちの後ろにもハイエナがいた。囲まれた…