Do you know love？【男主】 (ページ30)

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アッシュたちと出会ってもうすぐ半年になる頃、俺は…暇を持て余していた
人殺しはいつものように毎晩毎晩、子どもを食い物にする奴らを殺しまくるという変わらない日常を過ごしている

「オーース、アレン。健気に先生からの連絡待ちか？」

『……………』

「追放されたんだから、自由に生きりゃいいのにな」

ディールが遊びにきたと言って酒や買い物をぶら下げて来たのは1時間ほど前のことだ。俺はベッドに座って窓辺にもたれて外の風景を眺めていた

『……生きるって、なんなんだろうか』

「あ？」

『……よく、言われた。俺は生きろと』

「アレン…」

『…………生きるって、なんなんだ』

当たり前を疑問に思う
俺はなんのために生まれて、なんのために生きているのだろうか

人を殺すためか？

『俺は、なんのために、生きているんだろうか…』

「アレン…お前」

『わからない…もう、何もわからない…何のために、生きればいい』

ーーーーー
ーーー
ー

「アレンに家族はいるのか？」

『……？家族？』

「おう。俺には姉貴がいるだろ？お前にも兄貴とか姉貴とか」

『………』

ショーターが無理やりに俺を張大飯店に連れてきた今日。あの不思議な味のするチャーハンを食べさせられること約15分
あと三分の一程度に減ったチャーハンを食べていると、ショーターが徐に聞いてきた

「アッシュに家族がいるのかはわかんねぇけど」

『…………わからない』

「お前自分のことわからなさすぎだろ」

カランとれんげを置いた
自分の家族とはなんなのだろうか

家族とはどういうものをいうのだろうか
俺は…家族を知らない

『……俺は』

「？」

『………温かいベッドも、食べ物も、親の愛情も、知らない』

「………」

『なんのために、生まれて…なんのために、生きて…生き残ったのか、わからない』

忘れてはならないと体に刻み込まれてきた数々のモノ
それは俺が泣き叫んでもやめてなどくれないものであり、そして…人を苦しめるものばかりだった

あの時の俺は、何を思っていたのだろうか…

なにを思って…あの日を過ごしていたんだろうか

今となっては、もうなにも…覚えていない

「アレン、家族はいないのか？」

『………………いない』

親も兄弟も、俺は知らない

温もりも

いつだって知っているのは…

人は簡単に死ぬこと