Do you know love？【男主】 (ページ26)

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『……殺されそうになったんだぞ…その時に逃げなかった奴らを、守ってやれるほど俺はいい奴じゃない
自分の身は自分で守る。それが、お前らなんじゃないのか？』

子どもでもわかる。自分の身は自分で守らねばならないのだ。俺は、自分の身を守るためじゃない。人を殺すために力をつけた

『………………悪いが、俺は、お前の仲間一人一人の顔も名前も知らない。なんなら、お前の仲間に殺されそうになったんだからな』

「っ…」

緩んだ隙にその手を振り解き、ピーーッと音を立てて湯が沸いたのを知らせるケトルに足を向けコンロのつまみを捻る

「………ハイエナ狩りって、なんだよ」

『……そのままの、意味だ…。連中は俺を殺そうとしてる…俺に生きていられると、困るんだ』

「……なんでだよ」

『…………………俺は、生きすぎたから』

アンバーハイエナはある程度の年齢になると殺処分されてしまう。だが俺はそのある程度の年齢を超えているらしい
自分の誕生日も年齢もわからないから、その年齢の基準がわからないが、俺の命を狙っていると言うことはそういうことなんだろう

あるいは

(……………また、か)

一度追放されたハイエナは二度と戻ることはできない
ただ、特別な場合もある。生き延びたか、あるいはアンバーの瞳を持っている人間のみ戻ることができる

だが、戻りたいのかと聞かれると全員口をつぐむだろう
俺だって戻りたいかと聞かれるとそうでもないと答える。戻りたい戻りたくないの問題じゃない

あそこは、今思えばおかしかったのかもしれない

『……しばらく、ここには来るな』

「なんでだよ」

『……俺を殺そうとしてる奴らが、奇襲してきたら…俺はお前を守れない』

「…自分の身は自分で守るんだろ」

『…マフィア相手じゃない…奴らは』

口を開こうとした時、「アーッシュ！アレン！飯食わねーか？」というショーターの声が飛び込んできた

「ショーター…てめェ、空気読め」

「は？」

『………………俺、さっき食った』

「チャーハン」

『食う』

「今までにないぐらいの食いつきだな」

ジュルッと涎が垂れる。チャーハンというよりも、飯がうまけりゃなんでも食べたい