Do you know love？【男主】 (ページ25)

今日:11 hit、昨日:7 hit、合計:12,326 hit

0-23 ページ25

「アレン、アレン！起きろって！」

『ん"…』

バシンバシンと叩かれて身包み剥がされそうなほどの勢いで毛布が引っ張られた
とられまいと力を入れるが寝ぼけているおかげでその抵抗はあっけなく終わった

ブルッと体が震えて『……寒い』と掠れた声で訴えると、「さっさと起きろよ」といつの間にか俺の根城に居座るようになってきたアッシュがいた

ガシガシとボサボサ頭をかいてベッドから立ち上がり、ケトルに水を入れてコンロに火をかけて沸かすことにした
比較的まだ使えるマグカップにインスタントコーヒーを入れてお湯が沸くのを待つ

「アレン、アレン！」

『……なに』

「朝飯は？」

『…………いらない』

「食えよ。体力保たねえ」

『…………』

ガサガサと出されたのは、パンやリンゴなど手軽に食べれるもの。ショーターの飯よりもアッシュがこうして持ってきたものは簡単に食べれる手頃なものだから俺もつまみやすいが…

『…………チョイスがおかしい』

「なんだよ。ホットドッグにマスタードぶっかけただけだろ」

『…………』

ホットドッグの上に溢れんばかりのマスタードがぶっかけられている。これはもはやホットドッグと呼ぶにふさわしいのか俺もよくわからない

アッシュはそれを大口で食べ始め、俺はホットドッグのマスタードを仕方なくそのまま口に運び入れることにした
ピリ辛であり、鼻にくるこのマスタードは俺の嫌いな部類に入れるとしよう。これしかなかったら食うが

「………ダウンタウンのあの銃撃戦」

『…(ﾋﾟｸｯ』

「アレンの仕業か？」

『………………』

アッシュが本題を突きつけてきたのに、俺は無言でホットドッグのマスタードと戦った
アッシュは「俺の仲間も危険な目に遭いそうになった」と言ってくる

『……………だから？』

「だから？お前、死にたいのか？」

『………自分の身も守れない奴らを、お前は守るのか？』

ガタンッとホットドッグよりも俺の胸倉を掴むことを優先したアッシュは、翡翠の瞳をこれでもかと言うほどに光らせて俺を睨みつけてくる

『………弱者は強者に食われる…殺らなきゃ死ぬ…俺はその生き方しか知らない』

「無関係な人間を殺してもいいっていうのか!?」

『……………なら、関わらなければいい』

「ふざけんな!! そっちが勝手に俺たちのナワバリを戦いの場に選んだんだろうが!!」

『………………………お前、いい加減にしろよ』