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ウェストウッドの45番街、そこが今日の仕事場だと言う
依頼というものではなく、ただ単に人攫いの情報が舞い込んできたのでそれを狩るだけであったがどうやら、本当の目的は俺の首らしい
アンバーハイエナという異名はどの国でも通じているらしく、俺の顔も珍しいものであるからすぐに居場所がバレる
うまい具合に隠れてはいたが、ショーターとアッシュのおかげで俺の居場所がバレてしまっている
(………5…10…気配…30…本格的だな)
建物の影から見える人影をじっと見たあと、どこの人間か見当をつける
俺が生きていると困る奴らなのか、それとも俺を捕獲して何かをしようと企んでいるのか…
どちらにせよ、今のうちに潰しておかないといけないかもしれない
仕入れておいた武器はどうせ使わない。使ったとしても銃撃戦に応戦する時ぐらいだ
(………………先生)
フッと頭の中に先生の声が聞こえてきた
いつまでも、人を殺し続けなさい
それを守るように、俺はナイフを持って闇夜に溶け込んだ
《先日、ダウンタウンストリートで大量虐殺が発生しました。付近の住民は銃声の後に苦しむ声が聞こえたとのことがあり、警察は現在大量殺人を犯した犯人を捜索しており》
ラジオから聞こえてくる声などに耳を傾けず、血濡れた自分の頬をフードで深く隠しながら街中を歩いていく
「すみません」
『…？』
「昨日、この辺りであった殺人について聞きたいんですが」
『……』
「昨晩、怪しい人影を見ましたか？」
『……昨日、寝てたから見てない』
スコットランドも驚きのニューヨーク市警が直々に捜査に出ているらしい
俺は適当な嘘を吐き、警察をあしらった
ウェストウッド45番街は愛称であり、本当はダウンタウンの名前だ。昔から使っていると言う名前を口にすれば大抵の人間は思い出すだろう
殺戮のハイエナが帰ってきたと…だから警察も必死に死に物狂いで俺を探しているのだ
死ぬほどに俺を逮捕したいのだろう。まあ、簡単に捕まるほど俺は落ちぶれてはいないが
『(ﾌﾞﾙｯ…』
秋風に身を震わせてコートに顔を埋める。そろそろ、鳴りを潜めてひっそりと過ごす時期になってきた
冬は動きが鈍るからあんまり動きたくないし働きたくない
ちょこちょこと足を動かして自分の根城に戻った
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2021年12月5日 12時
