Do you know love？【男主】 (ページ3)

今日:31 hit、昨日:7 hit、合計:12,346 hit

0話ハイエナページ3

バキバキッという音、それが耳を掠めたのは数秒前
真っ暗な夜、アンバーの瞳が光り輝いている

人間の目が暗闇で光るなんてことはない
だがそいつは確かに光っていた

アンバー色の瞳をこれでもかと言うほどに瞳孔を開かせ、口元にはべったりとつけた赤い液体

鋭く尖った刃と細い手指には悍ましいモノ

『……ダレ？』

低く聞こえた唸り声にも似たそんな声

俺は今、野生の獣と対峙したような恐怖に包まれた

事の経緯はこうだ

「はぁ？アンバーハイエナ？」

「あぁ！知ってるか？」

「知らねェよ」

ダイエットコーラを飲みながらショーターに答えると、「人呼んで琥珀のハイエナ！」と自慢話のように話し始めるショーターに、俺は耳だけを傾けダイエットコーラを口にする

「琥珀の瞳を持ち、鋭く尖った八重歯はハイエナそのもの！いでたちから全て、ハイエナと呼ばれている上に、そいつは闇夜に現れたら必ずするんだ」

「なにをだよ」

面白おかしく話し始めるショーターは、「食うんだよ」と言う。なにをだ？なんてことを促そうとした時、ショーターは驚く言葉を口にした

「人間をな」

「…は？」

ショーターの口から聞こえてきたその言葉に俺はトプンとペットボトルの中に入っているダイエットコーラを揺らした

ショーターは「興味あるか？」と聞いてきて、俺は無意識にじっとショーターにその話の続きをするように視線を向けた

「琥珀の瞳を持ち、グレーの髪の毛を持ち、細身の体で相手を骨までむさぼり喰う…人呼んで人喰いハイエナ…
瞳の色からつけられたあだ名が、アンバーハイエナだ」

琥珀の瞳と、グレーの髪色、細身の体でいでたちがハイエナのような奴
そんな奴いるのか？なんてことを思っていた自分に言ってやりたい

いるじゃねぇか

生粋のハイエナが

『……………』

ぴるっと耳を動かしたそいつは、血濡れた手首で自分の口元に付いている血を拭い取る。取れていない上に逆に広がったその血がやけにリアルだ

「お前が、アンバーハイエナか？」

『………………あんた、誰？』

琥珀の瞳が鋭く開き、俺を観察し始める
コロコロと動く琥珀の瞳が俺を捉えて離さない上に、ここから逃げることは叶わないと教えているようにも錯覚できる