Do you know love？【男主】 (ページ16)

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キャンッという声が聞こえてきた
ヒクッと鼻が動き、夜目の効いた目をコロコロと動かしたアレンは『ガルルルルルル…』と唸り声を上げた

「アレン…？」

俺を庇い、唸りまくるアレンは闇の中を睨みつけるばかりで俺には答えない
何があるのかと見ていれば、「アッシュ」と俺を呼ぶ声が聞こえてきた

なぜこんなことになったのか、それは数時間前に遡る

『…ディノ・ゴルツィネ？』

「あぁ。ディノがお前を探してる」

『なぜ？』

「…さぁな。お前のその殺傷能力を買ってるらしい」

『………………』

リンクスの溜まり場に乗り気ではないアレンを連れていけば、アレックス、ボーンズ、コングがアレンを見て「ハイエナ!!?」と目を白黒させた

パチパチとアンバー色の瞳を瞬かせたアレンは『…アレンだ』と静かに言った
アレックスたちは面を食らって「お、おう」と戸惑いながら答えていた

『………その、ゴルツィネが、なんで…』

「…お前に人殺しをさせるつもりなんだろうな」

『……………………』

「安心しろ。お前をディノになんか売るつもりはねぇよ」

『………別に、そんなこと、ない』

俺がコークを飲みながら言うと、アレンは本当に興味がなさそうに肩をすくめている
会った時よりも幾分か話せるようにもなったし、表情が動かない分言葉の起伏で感情がよくわかる

片膝を抱えて木箱の上に座ってボーッとしているアレンは、有名などこかの絵画にもよく見える
こんななりでアンバーハイエナで、人殺しをしているとは思えないだろう

綺麗な服を着たらきっと、いいところのお坊ちゃんにでもなれるだろう
作法ができるのかどうかは知らないが

「アレン、腹減ってないか？」

『……問題ない』

「ホントかよ」

俺に視線を向けることなく答えたアレンにため息を吐きながら突っ込むと、アレンは耳をピクリと動かした
そしてアンバー色の瞳をコロコロと動かした後、木箱から飛び降りた

「アレン、どうかしたか？」

『………………空気が変わった』

「空気が？」

何が変わったのかよくわからずにいると、アレンは俺の目の前に立った
なんなのかわかっていない俺は、アレンを見ているしかなかった

「アレン、どうしたんだ？」

『(ｸﾞﾙﾙﾙﾙﾙ…』

「…アレン？」