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ザザぶりの空模様にアレンが心配になる
そんな今日、ディノに呼び出された俺はイヤイヤながらも屋敷に足を向けた
「で、なんの用だよ」
「大したことではない。アッシュ、アンバーハイエナを知っているか？」
「…アンバーハイエナ」
知らないという顔つきで復唱する。ディノの奴、まさか…アレンを！
「アンバーハイエナとは、人をかみ殺し噛み砕き、その信念に沿って生きる野生の獣…
暗殺に適していると言われているのだよ」
(このやろう…ッ)
ギリッと奥歯が音を立て、爪が食い込むほど拳を握った
驚くほどにこいつがアレンを食い物にしようとしていることがよくわかった
「見つけたら私に報告しなさい」
「…わかったよ」
アレンがいなくなって2週間。連絡手段もなければどこにいるのかも知らない
どうやって探そうにも手がかりすらもないこの状況でどうやって探ればいいというのだろうか
「クソッ」
スラングを吐き捨てて俺はディノの屋敷を後にした
「んで？どうすんの？」
「探す。あいつが無事でいるかどうかだ」
「だな。手当たり次第探してみるか」
「あぁ」
バイクを使ってニューヨーク中を走り回るしか方法がない。アレックスたちからも何度か報告を受けながらアレンを探すがやはりどこにもいない
「シシシシシシッ」
「大量大量！」
「早く持っていこうぜ！」
ガキどもが大きな袋を持ちながら早足で走っていく
ストリートには子どもも多く住んでいる。俺たちも同じようなものだ
「アレンの奴、どこ行ったんだろうな」
「さぁな」
「……アレン？」
「「？」」
俺たちの呟きを拾ったのは、俺たちよりも小さい子どもだった
目を瞬かせた後、ソイツはハッとして両手で口を押さえて走り出した
俺とショーターは顔を見合わせると、そいつを追いかけるために足を動かした
「あいつ、速っ！」
「くそっ！」
「ハッ、ハッ！みんなーーーーッッ!! 拠点移動せよ!!
敵だー！敵だよー!!」
俺たちの前方を走っている子どもがでかい声でそう叫ぶと、ひょこひょこっと路地から顔を出してくる男たちがいた
俺とショーターは足を止めて背中を預け合い、どうするか考えた
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2021年12月5日 12時
