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「あらかじめ…王女にはパーティーの飲み物も食事も手をつけないよう打ち合わせてありました…
ですが…そちらのお嬢さんにはお礼を申し上げる」
『…いえ、別に』
キースと名乗るあの王女様のお付きの人は、私に振り返って言う
彼といいこの人といい、なんで世の中の外国人はこんなにイケメンなんだろうか…
「王女を毒殺しようとした男は金で雇われただけと言ってます…。ただの悪戯で中身は下剤と聞かされていたと
今のところは素直に喋っていますが…」
「頼んだ相手のことは?」
「今日初めて会った男で、外国人だってそうです…」
『…………』
外国人、か…特定は難しそうだな
今回のパーティーにはたくさんの外国人もいるわけだし、もしかするともう逃げてる可能性もある…
「こちらに入ってる情報では、反王女グループなら過激な分子もいるとか…あなた達だけで守り切れますかな?」
「現時点で我が国から日本の警察に要請することはなにもありません」
「ところで、友季くん…よくソムリエが偽物だとわかったね…どこでわかったんだね?」
『あぁ…それなら匂いですよ』
「匂い?」
マックスが眉を寄せて聞いてくるのに頷き、私は警部に向き直った
『あの偽のソムリエとすれ違った時、タバコの匂いがしたんですよ…。父さんから一流のソムリエはタバコを吸わないと聞いたことがありますからね…
ワインソムリエにとって舌は大切なものですし、タバコを吸うとは思えませんでしたし…なによりもここは一流のホテル…
中にはタバコを吸うソムリエもいるかもしれませんが、少なくともこれから王女様にワインを勧めると言うときにタバコは吸わないでしょう』
「なるほど…」
「逆に犯罪を犯す前にタバコを吸って気を落ち着かせる人もいるって、テレビで見たことあるよ!ね、友季姉ちゃん」
『あぁ…』
「さすがだな、友季くん」
『いやぁ…』
頭の後ろに手を当てて照れていると、ジリリリリという火災警報の音が鳴り響いた
火災警報装置が作動した部屋に行くと、スプリンクラーが全ての水を出し終え、床には金色のライターが落ちていた
「ライターの火を近づけたわけだ…その騒ぎの間にもう一つの部屋から逃げ出した」
「すぐに非常線を張りましょう!!」
『……』
「友季、行ってくる」
『気をつけて』
…っていうか、蘭のやつ遅ぇな
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年9月24日 17時