0話 見合い話 ページ3
ダババババババババ
『………………今、なんて言った?』
「お見合いをしてくれないか?」
『…(ダバーーーーーーーーー』
休日の土曜日の午前。朝ごはんを食べ終えてソファでくつろぎながら友人たちとの連絡を取り合っていると、父が真面目な顔をして話があると言うもんだからスマホから目を離してダイニングの椅子に座り、出された飲み物を飲みながら『話って?』と聞いたらさっきのようなことになった
飲んでいた飲み物は口から流れ落ち、テーブルを濡らしていく上に、気分はだだ下がりになっていく
『ちょっと待って、父さん…なんでそうなった?』
「実はなぁ…私の友人のマックスって知ってるだろ?」
『あぁ…あのフリーライターの』
「そいつの息子がまあ、お前の二つ上になるんだがな」
『うん』
「企業起こして社長になっててな」
『19歳で…』
「マックスの軽はずみな言葉で見合いにあれよあれよと…」
『あんっのクソ親父ィ…!!』
ダァン!とコップを叩き置き『どうしてそうなる!どうして!』と真向かいに座って縮こまっている父に反論すれば、「私だって断ったさ」といい年した親父が少し頬を膨らませていた
「まだ早いとな…だが、早いうちがいいと…」
『…で、父さんはそれを飲んだわけか…』
「まあ、会うだけでも構わんだろ?」
『…華の高校生になんつーことしてんだよ…』
ハハハハ…と乾いた笑みを浮かべていると、「あら、いいじゃなーい!」とニコニコとした母さんがキッチンから布巾を持ってきてテーブルを拭いていく
「私も写真を見たけど、素敵だったわよ〜♡」
『おいおい…』
頬を染めて「困っちゃう〜!」なんて可愛らしくする母さんに父さんも「まあ、そういうことだ」とコーヒーを飲む
『で、お見合いはいつ?』
「2日後だ」
『はあ!!? 祝日!』
「祝日返上だ」
『嘘だろ…オイ』
遠い目をしながら乾いた笑みを浮かべた
さて、2日後に迫ったという見合い話に私はどうやって回避すべきなのだろうか…
相手もきっとこんな不本意で決まった見合い話にうんざりとしているだろう
うん、きっとそうに違いない。さっさと2日後に会って断って終わらせてしまえばいいだろう
「そうそう、写真はこれだ。全体のものをもらっておいた」
『嘘だろ、めちゃくちゃイケメンじゃねぇか』
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年9月24日 17時