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「友季ちゃーん、友季ちゃーーん」
『んだよ、母さん…』
「マックスから電話〜」
『はあ?ったく…』
母さんから受話器を受け取り、『もしもし』と欠伸ついでにすると《あぁ、すまん》とマックスの声が聞こえて来る
《お前、今日暇か?》
『まあ…特に予定はないけど』
《すまんが、これからいうところに来てくれ》
『はあ?』
ーーーーー
ーーー
ー
『いやだから、でけぇんだよ』
パーカーにジーンズにスニーカーと全くのラフな姿でくると、目の前にあるのは高層ビル
警視庁には何度か足を運んだが、それの2倍ぐらい横に広い感じだ。なんだこれ、マジでこれ会社か?
『ハハハハ…次元が違う人間は会社まで違うのかよ』
現代プリンスはどうやら財力や美貌も桁違いらしい
だが、呼び出しておいてマックスがいないのには腹が立つ。スマホを見れば時間にして昼時。昼ご飯を食べずに出てきたからそろそろお腹が空いて仕方ない
「友季?」
『…え?』
後ろから声をかけられ振り返ってみれば、スーツ姿の彼が立っていた
彼の傍にはマックスが立っている。どうやら、マックスの狙いは…
「偶然だな、友季!」
(偶然、ね…)
頼む、話を合わせてくれ。と伝えて来る目線に少し息を吐いた後『偶然ですね』とニコリと微笑む
マックスは「ありがとう!」という顔で私を見ているのに対し、彼は驚いてずっと私をパチクリと翡翠の瞳を瞬かせていた
「友季…なんでここに」
『近くの本屋に行ってたんです。好きな本が発売されてないか』
本音はマックスに呼び出された。が、それを伝えれば彼が眉根を寄せてマックスを睨むのはわかりきった結末なのでそれは秘密にしておこう
彼は私を見て「久しぶり」と微笑む。そんな笑顔に『お久しぶりです』と冷静に答える
「友季、お前昼は食ったか?」
『いえまだですけど…』
「なら、アッシュ一緒に昼飯食って来いよ」
「え?」
「友季もいいだろ?時間あるか?」
『え?あ、はい…まあ』
マックスが慌てて話を繋げているの「彼も気づいたのか、「マックス、お前…」とジトーっと見ている
助けを求めるような視線を向けられてもどうすることもできずにいる
「ま、まあ…ほら行ってこいよ」
「ったく…」
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年9月24日 17時