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時間にして夕方になってきた頃、お土産屋さんに入って思い思いなものを見ていく
新一には無難なマスコットにしておこう。母さんたちにはお菓子でもいい
『蘭たちいるか?まあ、お菓子ならいいか』
缶ボックスの小さなものを人数分買っていくと、「結構買うんだな」と覗き込まれた
カゴの中を見ながら『友達の分です』と答える
『もう買われたんですか?』
「いや、まだだ。種類が多くて何がいいかわからない」
『何かこう言うのが欲しいって言うのは?』
「そうだな…スマホとかにつけれて肌身離さず持てるものとか」
『だったらストラップですかね』
トロッピーのストラップやいろんなものが売っているコーナーに行き、『ほら』と見せると彼は真剣に悩み始めた
邪魔をしないように会計を済ませて彼のところに行くと、彼も会計を済ませていた
『気に入ったものはありましたか?』
「あぁ」
小さな袋が3つある。マックスにでもあげるのだろう
退場口を通り駐車場に向かって車に乗り込み、彼の運転でそのまま家に帰る
「今日はありがとう」
『こちらこそ。何から何まで…』
「気にしなくていい」
家の前に止まると、彼は「友季」と私の名前を呼ぶ
顔を彼に向けると「これ」と小さくラッピングされた袋を手渡された
さっき彼が買っていたものだ
「今日はありがとう…」
『いえ、こちらこそ…』
受け取った袋を包み込むように持った後、ハッとして『あの』とカバンから慌ててラッピングした袋を取り出す
『これ…』
「…俺に?」
聞かれて小さく頷くと、今日1番の笑顔で「ありがとう」と受け取ってもらった
そんな顔を見て顔が赤くなったのは仕方ないと思う。だってイケメンが自分に向けて最高の笑顔を向けてくれたのだ
『今日は本当にありがとうございました』
「こちらこそ、ありがとう」
今日のデートが終わればもう会わないだろう
そして見合いの話もなかったことになる。気が楽になった分、心の中に穴が空いたようにぽっかりとした感じになった
彼の車が進んでいくのと同時に、私も家の中に入る
帰ってきたのがわかったのか、新一が出迎えて「おかえりなさい!」と言う
『ただいま』
やっぱり、私はシンデレラにはなれない
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年9月24日 17時