大王女様と山猫小僧10 (ページ6)

今日:18 hit、昨日:23 hit、合計:9,372 hit

84-2 ページ6

『健ちゃん、いつ来たの？』

「3日前だ。大学出たらトレーナーの弟子入りしたくてな。俺が読んでた本、覚えてるか？」

『あぁ、怪我のやつ？』

「あぁ」

健ちゃんも「これ読めボケ」といいながらバシバシ殴ってきたんだよ。殴る必要あるかなと思ったし、その時はあの荒れてた時期だったから意味なく読むことなく今いる

「で、その本書いた奴がハトリとヤマコウの親父だった」

『はあああああああん!!!?』

「「(ﾋﾞｸｯ」」

「今の苗字は母方なんだとよ」

『なん、えっ??? どっ…はあ!?』

「俺と同じ反応してんじゃねぇよ」

『理不尽ッ』

バコンッという威力に加えてボールだからめちゃくちゃ痛い。主に後頭部が

「あの2人は、海外チームの移籍考えててよ。親父がアメリカにいるらしくて、所属チームの練習を見学させてもらってんだと」

『ハンッ！バケモンはバケモンだね！』

「お前が言うか？
でも、あいつらはスランプになっちまって、あの2人を「まあまあの選手」って言われてるらしい
それ聞いてめちゃくちゃ腹立った」

『だよね。ずっと負けてきた身としてはさ』

ネットを張り合えてシューズを履いている中、健ちゃんとあの2人について対策を2人で夜遅くまで一緒に考えてた

「あいつら元々「ドガァン！」みたいな感じではあったけど、もっと「ドバギャアン!!!」って感じになれると思うんだよ」

『健ちゃん、ボキャブラリーっていうの知ってる???』

「世界じゃ、190も小柄な部類に入る
俺はお前よりも低いしな、ずっと試行錯誤してた
んで、写真撮った」

『んなっに!!?』

(瑞姫、面白い…)

(あいつ、馬鹿っぽいな)

健ちゃんがスマホの画面を見せてきて、言いたいことが色々とあった

なにやってんの？とか、なにもヤマコウとハトリの写真見せられても嬉しくないんですけど

それよりまず

『自撮りへったくそ!!!(ﾌﾞﾊｯ！』

ハトリとヤマコウが作り慣れない笑顔、カメラの位置を見失ってる上に逆光
健ちゃんはシャッターを切ることに意識があって笑顔が疎かになり、カメラの位置を見失い逆光

『あっはははは!!! 健ちゃん、自撮りヘッタクソじゃん！あっはははははは!!!』

「うるせぇ、さっさとやるぞ」

『はいはい、んじゃとりあえず…信じてるよ、健ちゃん』

「こっちのセリフだわ」