84話 バレーの時間 ページ5
靴を脱いで準備をしてストレッチをしてビーチバレーに混じる
「ふんっ!」
『ナイスキー!』
「瑞姫、回を重ねるごとにトスが上達してる〜!」
「いいなあ、私も打ちたいのに」
5、6セット一気にやって、休憩をもらいみんなのところに戻るとみんなが「すげぇなぁ」と言う
「瑞姫、めちゃくちゃうまいな!」
「ビーチバレーかぁ…足場不安定なのによく飛べるな」
『踏むんだよ。そうすれば飛べる』
ペットボトルの水を飲みながら汗を拭い、みんながバレーボールをしているところをじっと見る
「お前、ほんとバレー好きだな…休憩すりゃいいのに」
『コートの外にも情報は沢山あるからね〜。他人のクセとか見て、試合の時に合わせるようにする。もちろん、重ねないと無理だけどね』
アレックスたちは、女子チームのビーチバレーを見て口笛を吹いたりしている
「ハーイ、瑞姫!」
『エミリー監督、こんばんは』
「夜に来るなんてどうしたの?あら、おモテになるのね」
『みんな友達だよ』
「!」
「へえーっ、恋愛もしなさい!20歳!」
『ぎゃんっ』
バシーンとエミリーに背中を叩かれ、豪快に笑ったエミリーはそのままビーチバレーの方に歩いていく
ジンジンする背中を我慢しながら座ると、シンが少し泣きそうな顔をしていた
くしゃりと撫でつけると、「子ども扱いすんな!」と言われた
ひどいなあ〜
「おうおう、ビーチバレーマジでやってんのかよ」
『!』
後ろから聞こえた男らしい声と自信満々の声、そして何よりも大好きな幼馴染
『け、健ちゃん!!?』
「よ」
『健ちゃん、なんで!? つーか、それ…』
「おう。バレーしにきた」
『〜ッ健ちゃん大好きー!!!』
「だべだべ」
インドアの靴やボールにサポーターにタオルにスクイズ。一式持って会いに来てくれた健ちゃんに本当に救われる
『監督!!!』
「ん?」
『体育館!貸して!!!』
「いいわよ〜」
体育館の鍵を借りて健ちゃんの手を掴み『バレーボール!!』と叫びながら走ると、アレックスたちも追いかけてくる
ガチャガチャと開けて中に入るとサロンパスの匂いが微かに残っている
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年8月30日 11時