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俺のことを大切にしてくれているなら、なんで俺から離れるんだ…何で、俺から離れるんだ…
《アッシュ、アイツの優しさはとても心地がいいもので、どう言葉をかけていいのか触れていいのかわからないんだろう？
そんなこと考えたりせず、思ったことを言ってやれ…瑞姫は、お前の素直な言葉が1番好きなんだ》
「…………」
《アイツのところに行ってやれ、アッシュ…迎えに行って、お前の気持ちを伝えて、連れ戻してこい
それから、明日のバースデーパーティー、瑞姫を含めてみんなでやろう》
「……………」
《友達だというのなら、そう思うのなら、迎えに行ってやれ》
友達…
いや違う
俺は、アイツのこと
それ以上に想ってたんだ
記憶を失う前からずっと
それを認めたくなくて、突き放してた
「……………」
箱からネックレスを取り出し、金具を外して自分の首に飾る
違和感しかないと思っていたら、意外とサマになっていて…俺の中にすっぽりと収まった気がした
《行ってこい、アッシュ…お前の宝物を、取り戻しに》
「あぁ…ありがとう、おっさん」
マックスの電話を切った後、俺はジャケットを引っ掴み、玄関に向かう
英二に瑞姫を迎えに行くと言えば、「いってらっしゃい」と見送ってくれる
エントランスを出ていくと、シンが「うわっ」と現れ俺に驚いた
「アッシュ？どっか行くのか？」
「瑞姫を迎えにいく。明日のパーティーに参加させるんだ」
「！」
「どこにいるかわかるか？」
「…セントラルパークにいるはずだぜ。最近のお気に入りだって言ってた」
「そうか…」
俺が走り出そうとすると、「アッシュ！」とシンが呼び止めてきた
振り返ってみると、「これ、1日早いバースデープレゼント」と俺の手に一通の封筒を手渡してきた
「手紙？」
「うん。俺が持ってたんだ…けど、あんたに返すよ…アッシュのものだ」
「瑞姫からの手紙とパスポート…航空チケット？」
しかも、封筒もチケットもパスポートもところどころ血で汚れている
中身を読んでみれば、血で染まりながらも綺麗な文字が読める程度で、中身は…………中身は………
「シン！ありがとう！」
「絶対、瑞姫連れてこいよー!!」
俺は手紙を持ってセントラルパークへ向かった
(瑞姫…！)
もう、絶対に離さない
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2021年8月30日 11時
