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「なあ、マックス…瑞姫がいなきゃショーターは今生きてたと思うか？」
《わからない。ただ、これだけは言えるぞアッシュ
瑞姫がいなければお前は今頃とっくに死んでたよ》
「そんなに、アイツの存在は俺の中では大きかったのか？俺にとってアイツはそんなに大切だったのか？
なら、ならなんで俺はアイツの記憶だけ持ってないんだ」
俺はどれだけアイツを傷つけた？泣かせた？
俺と一緒に過ごしたあの1ヶ月の中、俺は何度アイツの涙を見た？
《俺に聞かれても俺にはわからん。アッシュがなぜ瑞姫との記憶を失ったのか、俺にはわからん
瑞姫の2年間の記憶がないのと、お前と瑞姫が過ごしたほんの短い1ヶ月の記憶…一緒に過ごした記憶があるのなら、それだけでも十分じゃないか？
その中で、瑞姫はお前から何かを奪ったことがあったか？お前を傷つけたことがあったか？お前の何かを、嫌なことをしたことはあったか？》
「一度としてない…俺が、アイツを傷つけた」
《俺はな、アッシュ…その短くも長いような1ヶ月の記憶だけでも十分だと思ってるよ
…英二がお前にって用意したプレゼントを預かってると言ってたよ》
「え？」
《瑞姫からお前への最後のプレゼントだそうだよ》
俺はそれを聞いていてもたってもいられなくて、英二の所に行く
「英二！」
「な、なんだい？」
「瑞姫からの…瑞姫からのプレゼントはどこだ!?」
「えっ、そ、それなら…キミのベッドのサイドテーブルの引き出しの中だよ…明日の朝、枕元に置いておこうと思って」
それを聞いて寝室に駆け込み、自分のベッドの横のサイドテーブルの引き出しを勢いよく開けると、綺麗な紙袋が入っていた
《それが、瑞姫からのお前へのバースデープレゼントだよ》
紙袋の中には、プレゼントとバースデーカード
紙袋から小さな箱を取り出して手に取り、俺はシュルリとリボンを取った
パカッと蓋を開けて中を見れば、綺麗な宝石がはめこまれたチャームのついたネックレスがあった
「赤い、宝石…」
《アイツは…瑞姫は、お前に1番似合う色は赤だと言ってたよ…お前が赤い服を着たりすると、すごく褒めてたんだ
赤は強くてかっこよくて、炎みたいに燃えて戦うアッシュみたいだってな》
「…………」
《瑞姫はな、お前のことが本当に大切で大切で、大好きなんだよ》
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2021年8月30日 11時
