大王女様と山猫小僧10 (ページ4)

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『バレーボールの攻撃ってさ、3段階あるんだよ。レシーブして、トスあげてスパイク。これで3段階
でも、レシーブしてトスあげると見せかけて攻撃することもある…相手を騙せて点数も取れたら…すっごく楽しい』

出し抜いてやったという手応えと、点が取れたという嬉しさ、そしてなによりも…自分のセットアップや攻撃で点につながることが何よりも嬉しい

「お前ホントバレーボール好きだよな」

『フフーン、バレーボールしてたらわかるよ。バレーボールは、楽しいって』

今なら胸を張って言える。バレーボールは、楽しいと

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『7時か…夜のビーチバレー空いてるって言ってたな…』

壁かけの時計を見れば、7時を回ったところだった
夜の街は出歩くなとアッシュに言われていたけど、いいよね、いいよね！いいよね!!?

「あれ、瑞姫どっか行くのか？」

『ビーチバレー！』

「へえ、いってらっしゃ…………………んなっ!!?」

バタバタと慌ただしく用意を始めて出て行こうとすると「待て待て！」とアレックスたちが束になって押し寄せてきた

「馬鹿野郎!! こんな時間から出歩く奴がいるか！」

『ここにいる』

「こんな時間はやめろ!! せめて昼間にしろよ!!」

『いいじゃーん。ビーチバレーは夜までやってるってみんな言ってたし』

「なら俺たちも行くから！」

『えー。アッシュの見張りは？』

「あいつも十分回復したし一緒に連れていくから!!」

取り繕ってくるアレックスが面白くて『わかったわかった、一緒に行こう』とケラケラ笑うとみんなが慌ただしく動き始める

アッシュにはもちろん、温かい格好をしてもらい私たちはアパートを出た

歩いて15分程度でついたビーチバレー場
私の姿を見たアメリカの女子チームが「きゃー！」と駆け寄ってきてハグをしてくる

「どうしたの!? 夜は来れないって言ってたじゃない！」

「時間ができたのね!!」

『みんなが終わる時間まではやりたいとこだけど、今日は友達もいるからさ』

「うわ、イケメーン」

「瑞姫の彼氏はいるの？」

『…いた、だね。過去形』

「へえー」

「そんなことより、バレーしましょ！」

「瑞姫のお友達はそこのベンチでどうぞー！」

「瑞姫！セッターやって〜！」

『はいはーい〜』