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『正直言って、まだ悩んでる…ヴァニタスで学べることは多いと思う…バレーを続けるならヴァニタスの方がいいと思う…でも本当にそこで続けていけるかどうかなんだよ…』
「確かに…俺もヴァニタス入るまでやっていけるかわかんなかったけど…メリットとデメリットを考えたんだ」
『メリットとデメリット？』
「うん」
大きな唐揚げを「はい、どーぞ」と私の皿の上に乗せた柳生っちに『あ、ありがとう』とお返しについてきた天ぷらを一つあげた
「俺はいつか必ず海外に行くと決めたこと、それがヴァニタスで最高峰だということがメリット
デメリットは、あのまま日本でくすぶったままってことかな」
『……メリットと、デメリット……』
「白樺さんにとっての、メリットとデメリットを考えてみたらどうかな？
俺も返事を出すのに1ヶ月はかかっちゃったし、特に…キミは才能のことでたくさん悩んだって深澤くんから聞いたからね」
『…ん、ありがとう』
「どういたしまして。ね、お昼を食べたらサポーター買うの付き合ってよ！」
『それはいいけど、練習は？』
「1時間は休みだから大丈夫！」
メリットとデメリット…もしかすると、チャンスなのかもしれない
アッシュへの思いを断ち切るための、神様が見かねて私にチャンスをくれたのかもしれない
『…柳生っちは、行くんだよね』
「もちろんさ。俺はもっと高みに行く。白樺さんも、いつか行くんでしょ？さらに上に…世界のトップに」
『…もちろん』
「ヴァニタスは、男女混合チームも作ったりしてるしね…公式の試合ではまだ認められてないけど、練習にはすごく適してるし」
『そうなったら、健ちゃんともバレーできるなあ』
「深澤くん、バレーからアスレティックトレーナーになるってホント？」
『うん、らしいよ』
モグモグと天むすを食べると、「へー、そっかー」と柳生っちも食べ進める
お互いにご飯がほとんど食べ終えそうになる頃、スカウトのことが頭に再び浮かぶ
ここにはアッシュがいる。たとえ日本語であっても、ヴァニタスのことを調べれば簡単にわかるだろう
オックンだって英語に訳してアッシュに言うかもしれない
「…白樺さん、大丈夫？」
『…え？』
「すごく、辛そうだけど」
『…あ、あぁ…大丈夫大丈夫！天むす美味しかったな〜って！』
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2021年8月30日 11時
