大王女様と山猫小僧10 (ページ28)

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柳生っち…中学の時、ブロックの強豪だったクラブチームのキャプテンで、たまの合宿でよく会うしブロックを飛んでもらったりもしてもらったっけ

「知り合いかい？」

「はい！中学の時に県内のクラブチームの大会で」

「ほう…！そうだったか…」

「でも、こんなところで会えるなんて夢にも思わなかったよ!!」

『私も…柳生っちと会うとは思わなかった…』

「ははっ！まあ、そうだよね…あれから中学は県外になっちゃったし…高校は全国で会わなきゃ無理だったもんね」

ウェルさんは、見学を柳生っちに任せてチームの練習を見に行ってしまった

『ねえ、柳生っちはなんでヴァニタスに？』

「引退してから、大学決めるのにね。いつかは海外目指してたから、どうしようか悩んでたら…ウェルさんが俺をスカウトしたんだ
そういえば、白樺さんはどうしてアメリカに？」

『え"っ？あー…えーと、あははは…ちょっとね』

「ふーん？」

『今はアメリカの女子チームに短期間だけ入れてもらってる。ビーチバレーの修行にね』

「ビーチバレー!? ひえぇっ…考えることって全然違うや…ん？今はってことは」

『うん。期間が終わったらアルゼンチンに行ってヒロのところで学ぶつもり』

「ヒロ・ナルミヤ!? そっちの方が驚きだよ…」

『バレー界最高峰のチームに所属してる柳生っちに言われたくないね』

べーってしていると、「でもさ」とにっこりと人懐っこい笑顔になる柳生っちは、「俺、また白樺さんとバレーができるの楽しみだよ！」と言ってくれた

「あ、そうだ！このあと時間があるなら、一緒にご飯食べに行かない？俺、まだ昼食べてなくてさ！昼休憩挟むから、一緒にどう？」

『え？昼？』

「今11時半だし、あと30分で昼休憩に入るんだよ」

『…うわ、ほんとだ』

柳生っちが指さした時計を見て時間を確認すれば、マジで11時半だった
確かにお腹減って来たかも…監督にもヴァニタスの施設来てるって連絡入れとかないと

『うん、お昼行こう』

「やったね！ちょっと待っててね！俺、着替えてくるから！」

ピューンと走っていく柳生っちを見送り、手持ち無沙汰で待っているとものの数分で戻ってきた
早いなおい

「白樺さん、この辺りで美味しいご飯屋さん知ってる？俺、チームメイトに教えてもらったんだけど…」

『えー、知らなーい』