大王女様と山猫小僧10 (ページ12)

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85話熱中症の時間ページ12

『あ"ーーーー………ゔーーー…重い、体』

ベッドの上で唸りながら横になり、頭が重い上に体までもが重かった
これはやばい、風邪ではないのはわかっているので疲れが溜まって一気にきた感じだ

健ちゃんはつい2日前に帰ってしまった

さて、どないするよ

『呼ぶか呼ばぬか』

きっと起き上がったであろうアッシュを呼び、体調が悪いことを伝えるか
いや、迷惑かけられないし体調崩したのは自分のせいだからなんとかしよう

立ち上がるのも起き上がるのも難しいみたいなので、仕方なく寝ながらスマホを手につかむ
監督に今日は休むと言うことを伝えると「疲れが溜まってるだろうからゆっくり休みなさい。3日は休め」と言われた

ｺﾝｺﾝ

『！』

「瑞姫、入っていいか？」

『あー、うん』

ガチャリとドアが開いて中に入ってきたアッシュは、「どうした？」と聞いてくる
平然を装い『んー、今日はお昼からだからゴロゴロしてるー』と言うとさほど興味なさそうに「ふーん」と言った

「俺、ちょっと出るから」

『はいはーい、気をつけてね〜』

寝転がったまま見送り、ドアが閉まって玄関の鍵が閉まるのを確認した後、1番話せるシンに電話した

『あー、もしもし？私なんだけど、アパート来れる？
ちょっと、動けなくて』

《はあ!? なっ…ちょっと待ってろ!! すぐに行くから！》

それだけ言ってシンが10分でアパートに来たのには驚いた
オックンから鍵を預かっていたのか中に入ってくると、「瑞姫！」とドタバタとしながらきた

『来てくれてありがとう…いや、情けない話…動けないですよ…』

「大丈夫かよ…アッシュに連絡するか？」

『ううん、疲れてるだけだろうし今日から3日は休むから大丈夫』

「熱は…うわ、熱いな…動くのもだるいだろ」

『あはは、よくお分かりで…』

「水は？ちゃんと飲んだか？」

『あ"ーー……』

思い出す限り、最近水分をとっていなかったかもしれない

「まさか…水も飲まずに練習してたのか!?」

『記憶にある限り、飲んでないからそうなるね』

「この…馬鹿野郎！ちょっと待ってろ！」

ドタバタとダイニングの方に走り、すぐに戻ってきたシンはペットボトルからコップに何かを入れ始めた