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『へぇ、お兄ちゃん想いの妹じゃん』
「でも、良縁だよ？」
『異国の地でもオックンに友達ができますようにってことじゃない？現に、アッシュたちに出会ったわけだし』
「そうだね」
微笑んだオックンにつられて笑うと、「白樺さんには、お守りとかないの？」と聞かれた
『お守りかぁ…オックンに1回預けたやつかな』
「あの写真？」
『うん。1番の大切な宝物。お守りって言っても他にもあるんだよ。たとえば…これとか』
「これは？」
『健ちゃんがくれた初めてのお守り。小学校の時、女子バレーの大会があってそれにセッターとして出ることになってね。その時、健ちゃんが応援に来てくれてこれをくれたの
このお守りのおかげで、大会で優勝！大体の大会には優勝はできなくてもいいところまでいくことができたんだよ』
「へぇ…」
『だから、1番のお守り』
ちょっとボロボロになりかけてるけど、1番大事で大切で、私の宝物のお守り
このお守りがあるから、私はバレーを頑張ってこれたと思う。それに、これを持っていると自然と勝てる気がする
「あ」
『？』
オックンが顔を上げてドアの方を見ていた
つられて見ると、パーカーを着たアッシュが歩いてきた
「なんだ、もう起きたの？」
「お前らこそ。これ、お前らだろ？」
「覚えてないわけ？」
「覚えてるさ。痛かったからな！」
「あ、そ」
『ハハハハ…』
意地っ張りで素直にお礼が言えないアッシュにから笑いをしていると、「なんだそれ」と私とオックンの手の中にあるお守りを見た
「ん？ああ、これ？」
『お守りだよ』
「日本を発つとき、妹がくれたんだ
だけどこれ、「良縁」って、何考えてんだか」
『私のは健ちゃんからもらったやつ。バレーの大会には絶対持ってってるんだよ』
「へぇ…」
健ちゃんにもらったお守りを眺めていると、「日本が恋しいか」とアッシュが静かに聞いてきた
私はチラッと見た後、またお守りを眺めて『ちょっとだけね。正直言うと』とお守りをポーチの中に直した
「あの…背の高い長髪の男、知ってんだろ？
キミや白樺さんが姿を消したのは、あいつが原因じゃないの？」
『あぁ、ブランカさん？』
「知ってるんだ…」
『あははは…殺せんせーの時にちょっと』
「殺せんせー？」
『うん』
小さく頷くと、アッシュは目を瞬かせた
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2021年8月27日 15時
