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64-2 ページ9

「心配…した」

『……!』

「心配、したんだ…っ」

『…ごめん』

「瑞姫…っ」









ギュッと抱きしめてくるアッシュの頭を撫でると、ぐりぐりと額を押し当ててくる
アッシュの頭を撫で続けていると、スンスンとしている









『ねえ、アッシュ。一旦何か食べてから(ヌルッ』

「……」

『……ぬる?』









アッシュの肩に触れて手に何かついた
生ぬるい何かが手にべっとりとついていて見てみると、真っ赤なものだった









『ぎゃーーーーー!!!! 血ーーー!!!!』

「白樺さん!? どうしたの!?」

『オックン!救急箱ーーーーーー!!!!』









アッシュをベッドに寝かせて鍵を外してドタバタと走って救急箱を持ってくる
シャツを乱暴に脱がせてテキパキと傷の手当てをアレックス、オックンと一緒にする









『…なんでこんなに無駄な体力使ってんだろ…』









疲れたのか眠ってしまったアッシュの隣で項垂れると、オックンもやってきて疲れたのかすぐに寝付いていた
よく寝れるよ…神経図太いね、オックン…









ーーーーー
ーーー










『…………ふぁっ』









朝の光に目が覚めてのそのそと起きた
時間にして多分4時だろう。まだ薄暗いし、みんながまだ寝ている



起こさないように気配消して屋上に向かうと、肌寒かった









『ううん、やっぱりパーカーとか欲しいなぁ…』









ヒートテックという人類の発明を使いたい…インナー薄いだけで寒いんだもん
屋上のヘリに座って足を出してぷらぷらとする。なんかこの肌寒さ、懐かしいなあ









『そうだ、バレンタインの時だ』









バレンタインデー、良くも悪くも殺せんせーにゴシップにされていた生徒が何人かいた
磯貝と片岡、速水と千葉、岡野と前原、などE組でもトップを走る男女ペア





そういえば、矢田と倉橋は男子全員にチョコあげたって言ってたけどなんか帰り際に岡島がブチギレてたような…気のせいか?









『バレンタインかぁ、懐かしいなあ』

「白樺さん」

『あ、オックン。おはよー、早いね。まだ明け方だよ』

「白樺さんこそ」

『いつもこの時間に起きてたからね、クセになってる』

「そっか。毎朝4時起きだもんね」









屋上のヘリに座ってオックンが小袋を取り出した









『お守り?』

「うん。日本を発つとき、妹がくれたんだ」

64-3→←64話 お守りの時間



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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年8月27日 15時

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