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71-2 ページ42

ー1時間後ー









「(ハッ!」









目が覚めて飛び起きた
瑞姫のことが頭から離れず、俺は嫌な汗を流していく







そばにいたいのに、いられない
自分が歯痒くてたまらない




いつも一緒にいてくれた、自分のことなど後回しにして一緒にいてくれた瑞姫のそばに、俺はいてやれない









「起きたか」

「!」

「汗を拭くといい。風邪を引いてしまうからな」

「…ありがとう」









黒スーツの烏間がジャケットを脱いで椅子に座り、ペットボトルとタオルを手渡してくれた
俺はそれを受け取って自分の体の汗を拭く









「…大丈夫か?」

「………あんたは、なんでここにいるんだ」

「目的が同じだからだ」

「?」

「柳沢を知っているな?」

「!」

「俺はそいつを捕まえるために国立精神衛生センターに用がある」

「…………」

「本当は、彼女も連れていく予定だった」

「なに?」









烏間は目を閉じた後、「彼女は俺が教えたクラスの中でも上位に入る成績だった」と話し始めた









「暗殺教室を知っているか?」

「…大体は」

「俺はそこの体育教師として働いていた。当時まだ15歳だった彼らの学業をサポートするべく、俺は教室にいた
体育教師というのは表向きで、実際は暗殺のための訓練を指導していた
その中でも、赤羽カルマ、潮田渚などレベルの高い暗殺者が現れ始めた時、彼女の頭角も見え始めた
長距離暗殺では狙撃の成績も優秀で、クラスでトップを争う2人に食いつくほどだった」









確かにそうだ
ケープコッドで試し撃ちをさせれば1発で撃ち抜くほどの実力があった









「近距離暗殺では、ペアを組めばなかなかの成績を出したんだ
赤羽カルマ、潮田渚とのコンビネーションは絶大だった…あの3人の同時攻撃となると、俺でも捌けるかどうかわからん」

「…………」

「確かに彼女は他の成績では平凡で中段を走っていたが、クラスの中でも1番だったのはその冷静さだ
彼女がバレーボールをしていたからでもある」

「……」

「バレーボールは極限の緊張感の中、ボールを持ってはいけないし掴んでもいけない
たった0コンマの世界の中で正確なトス回しをしなければならない
誰よりも精密さを求められ、誰よりも敵ブロッカーのプレッシャーを受けながら、試合中誰よりも多くボールに触る…それが、彼女の務めるポジションだ」

71-3→←71話 存在の時間



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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年8月27日 15時

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