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「結局、最後はみんなキミに頼ることになる
代われるものなら、キミと代わりたいよ…もうキミに、銃を持たせたくない」
『人殺しを、もうさせたくないんだよ』
私とオックンが言うと、アッシュは自分の手のひらを見つめた
「俺の手は、血で汚れてる
俺が殺した、数え切れないほどの人の血で」
「でも、そうしなきゃキミは殺されてた」
「…親父によく言われたよ。お前はトラブルメーカーだって。必ずお前らにも災いがふりかかる
どこへ行っても。今だってそうだろ?」
『…ごちゃごちゃと…黙って聞いてれば…好き勝手、言いやがって!!!』
「っで!!!?」
ゴンッッッッとアッシュの頭に頭突きしてやると、自分の頭を押さえてその場に蹲るアッシュは、「何すんだよ!」と涙目で睨んでくる
『私たちがいつ迷惑だと言ったの!!!』
「!」
『迷惑上等!! 友達でしょ!そんなのアッシュがよくわかってるじゃんか!私もオックンもアッシュを失いたくないんだよ、アッシュのためならなんだってするよ!!』
「瑞姫…」
「そうだよ、アッシュ。一緒に日本へ行こう、アッシュ
日本なら、銃を持たずに暮らせる。キミは生まれ変わって、きっと自由になれる!
もう戦わせたくないんだ…これ以上、キミを危険な目に合わせたくない!」
『日本で変な奴が現れたら、白樺さんたちが守ってあげるよ!! 日本は私のホームグラウンドだしね!』
ただし、東京の椚ヶ丘市の中だけと言っておこうかな…いやまあ、日本ならどこでもホームグラウンドだけど…
「…ありがとう。俺もお前らのようになりたかった
もうちょっとマシな生き方ができたらと、ずっと思っていた」
「できるよ!今からだって遅くない!キミなら、なんだってできる!」
『人殺しを悔いてるのなら、殺した人たちの倍以上にその手で救えばいい
私ね、アッシュ…本当はアメリカに来るつもりはなかった。だけど、カルマに誘われてただの旅行感覚できたんだよ
でも、アッシュは他のみんなと出会ってすごく楽しかった…人殺しを間近で見ることもあったけど、別にそんなのどうだっていいんだよ
どんなに1人で苦しんで苦しんでたとしても、私も背負う。アッシュが大好きだもん、友達だもん、好きな人だもん』
「………」
『私の先生はね、アッシュと同じで人殺しをしたよ。だけどそれを悔いて、悔いて、前を向いて罪を背負って生きてきた』
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年8月27日 15時