70-2 ページ37
烏間さんからの電話に出て会話を進めていると、《問題は柳沢がどこにいるか、だ…》と言われた
『…アッシュの仲間も捕まってるんです…』
《なるほどな…。俺も潜入したら彼らの手助けになるようにはしよう》
『お願いします』
《白樺さん、キミは行くのか?》
『…アッシュが許さないでしょうね。全然、私のこと信じてくれないんです』
《…そうか》
私だって戦えるのに、アッシュはそれを信じてくれない
たしかに足手まといかもしれないけど、誰かの手助けぐらいはできる。人殺しをせずとも、何かぐらいできるはずなのに
《…とりあえず、俺もそちらに向かおう》
『はい、お願いします』
電話での業務連絡も終えて部屋に入ると、オックンが「あ、白樺さん」とカップにインスタントコーヒーを入れていた
『?』
「コーヒー、飲む?」
『飲む!』
もう一つのマグカップを出してきたオックンがスプーンでインスタントコーヒーを入れていると、アッシュが部屋に戻ってきた
『お帰り〜』
「あぁ…」
「白樺さん、はい」
『ありがとう!』
受け取ったコップの中には熱々のコーヒーがあり、それに口をつけると、少しだけ苦いコーヒーがあった
「お前らはジェシカと一緒に「ニューズウィーク」の保護を受けろ
口答えは許さないぞ」
『…(チャプンッ』
有無を言わさないアッシュの言い方に、飲んでいたカップを揺らすとコーヒーが静かに音を立てる
「…別にしないさ。ジェシカと一緒にいくよ
それが、1番いいと思う」
『(ブーーー』
頬を膨らませて頬杖をつきながら、ニューズウィークからどうやって逃げ出してやろうか考える
柳沢との決着は烏間さんだけには任せておけない。そりゃ、烏間さんは強いけど、もしもの時について行った方が尚のこといいだろうから
私とオックンの反応にアッシュは顔を覗き込んできた
「そんな疑り深そうに見ることないだろ
そりゃ…この間はまあ、ちょっと…。でも、流石に今度ばかりは、ね?」
「今度ばかりは?ほーーー今度ばかりはねーえ?
オニイチャンとオネエチャン、大活躍だったもんね」
「………」
『逃げ出してやる…』
「なんか言ったか?」
ニューズウィークのセキュリティなんて大したことないだろう
ちょっと気配消して足音も消していけばなんとかなる
30人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年8月27日 15時