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69話 格の時間 ページ33

「ウィリーとヤンは、一緒じゃないのか?」

「…捕まった。他にも10人くらい」

「なにっ!?」

「行き先はわかってる」

『!』

「国立精神衛生センターだ」









私の隣に座ったアッシュは、自分の手首に包帯を巻き始めた
慌ててそれをとって代わると、無言でされるがままになってくれる









「そこまで分かってて、なぜ助けなかった!」

「俺も捕まっていたからさ。シンたちのおかげで命拾いした」

「仲間を見殺しにして、こいつを助けたってのか!?」

「好きでそうしたわけじゃねぇ!」









あーあ、これなんか嫌な予感しかしないんですけど…
キュッと包帯を巻き終えて立ち上がり、やりとりの行く末を見守る









「相手は20人以上、しかもプロだ
助けるどころか逆にとっ捕まるのがオチだ」

「あんた、いつからアッシュの腰巾着になったんだよ、ケイン」

「なに…?」

「ふん、カッコつけんな!白人に顎で使われてるくせに!」

「なんだとォ!?」

「やる気か、てめぇら!」

『……………』

「ちょ、ちょっと!仲間割れしてる場合じゃないでしょ!」

『ジェシカ、シー』

「で、でも…」









止めに入ろうとしたジェシカに『大丈夫』と微笑み目を閉じたあと、ゆっくりと目を見開く









「よせ、ラオ!」

「放せシン!もう我慢できねえ!」









殴りかかりそうになるラオを必死に止めているシンだが、この黒人と中国人の喧嘩はそれだけでは収まりそうにない









「アッシュ!」

『……………ホーント、男ってなんでこう熱くなるんだろうねぇ』

「白樺さん!冗談言ってる場合じゃ」









渚とカルマの喧嘩もそんな感じだったなぁ
イラついてカルマが先に手を出してたんだっけ。まあ、結局負けは負けたんだよね、カルマは









「だいたい、お前もお前だ!仲間そっちのけでアッシュを助けるなんて、それでもボスか!」

「なんだと!?」

「もっと自覚を持ってくれよ!」

『………………はぁ』









自覚を持て?そりゃあんたたちでしょ






その意味を込めて、壁を思い切り叩いた
ゴンッッッッという重苦しい音に驚いた男たちは、こちらを見ている



目を見開き、驚き、そして邪魔をするなという突き刺すような視線を蹴散らすかのような…









ゴアッ!!!









「「ッ!?」」









殺し屋の目を向ける

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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年8月27日 15時

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