68-4 ページ31
立ち上がって私に掴みがかろうとした男の手首を弾き、足払いをしてそのまま武器を蹴飛ばし、肩固めを入れる
ドサッと倒れ込み、ギリギリと締め上げていくと、男は抵抗を見せたが徐々に力を無くしていき最後にはダラン…と脱力した
『はぁっ…はぁっ…』
「瑞姫…お前っ!」
『…はあっ…はぁあ…』
いきなりぶっちゃけ本番だったけど、なんとか上手く行ってよかった
深い息を吐いた後、窓ガラスを叩き割るような音をさせた後、外から銃撃戦が聞こえてきた
シンたちだろう
『アッシュ、後ろ向いて!』
「馬鹿野郎!なんで戻ってきた!!」
『うるさい!』
「!」
『いいから立って!!』
服が乱れているアッシュのことなんてお構いなしに男たちの武器を奪い取って、部屋の外を見ると近くから足音が聞こえる
部屋から見ると、フォックスを始めとした男たちがこちらに走ってきている
引き金に指をかけて当たらないように威嚇で撃っていくと、壁に身を寄せている
「待て、フォックス!」
『チッ!!』
銃を撃ちながらいると、じりじりと後退していく
プロであるが故に判断が早い。ここでは不利なのを悟ったのだろう
「また会おう、アッシュ!私の言ったことを忘れるな!」
そう言ってフォックスが煙幕を出した
姿が見えなくなっていき、逃げる足音だけが遠ざかっていく中、「アッシュ!」とオックンたちが駆け寄ってきた
「無事だったんだね!」
「馬鹿!なんで戻ってきた!? 早くここから出るんだ!」
『ま、なるよね…』
弾切れになった銃をその場に放り投げて廃墟を出た
廃墟から遠くまで来て、シンを積み上げられた木箱を登らせて向こうまで行ったのを確認し、奴らがいないことを確認した上で塀を乗り越えた
「ここまで来れば安全だ」
『ふへーー…疲れたあ』
「それにしても、よくあんな無茶を…」
『あははは…あんまり、やりたくないんだけど……友達助けるためなら、ね?』
「なるほどな」
人よりも何も才能がない私は、とにかく必死になって護身術だけは身につけた
烏間さんに放課後教えてもらうこともあったし、生徒を人質にとる殺し屋対策として教えてもらったのはよかったけど…
『まさか、こんな時に使うとは思わなかったや…』
30人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年8月27日 15時