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68-3 ページ30

『全然わかんない…』









読唇術を極めておけばよかったとかそう言うレベルの会話で、じーっと見ているとトラックが動き出した









「トラックは俺が追跡する!」

「残りは6人…」

「よし、やるか」

『私がやる』

「えっ?」

『大丈夫だよ』









アッシュが連れて行かれた廃墟を見て、『構造がわかる人は?』と聞くと、ケインとシンが2人で色々と教えてくれた



なるほど、部屋がたくさんあって…ということか









「どうやって入るつもりだよ」

『大丈夫、フリーランニングはやってきたからね』

「フリーランニング…」

『パルクールの方がわかりやすいか…』









スプレーを使って廃墟の色に似た色に塗り替えると、「おぉ…」とシンが感心した









『とりあえず、私が中に入って様子を見てくるから、みんなは合図が出るまでここで待機しててね』

「わかった!」

「気をつけろよ、瑞姫」

『わかってるって』









廃墟の取手部分に足をかけてそのまま飛び上がっていくと、屋上をひょいひょいと飛び移り、アッシュがいる廃墟の屋上にたどり着く






気配を消してフードを深く被り、中に入っていく
上から順に全てを確認していくと、2階ほどになると人の話し声が聞こえてきた









「あのガキ、男娼だとよ」

「チッ…クソガキが」









外に見張りが2人、中には4人か…
先に4人を仕留めるのが先決だろうな…








一室から出てきた男は、左頬に傷のある男で見張りの男たちに「絶対に目を離すな」と指示を出している
物陰に挟みながら極力息をしないように見ていると、見張りの男たちは「はっ!」と短く言った









フォックスといったあの男が歩いていき、足音が聞こえなくなってきた時見張りの男たちが部屋の中に入っていくのについて行き、ドアの一歩手前で足を止める









『…………………』









フッ…と気配を消してドアの近くに立っていた男の背後に回って口元を押さえて、麻酔銃を使って麻酔を打ち込むと、ガチャンッと銃を取りこぼした









「なんだ!? …!!?」

「!?」









部屋の中に入って気配を消し足音すらも出さずに忍び寄る
アッシュの髪の毛を掴んでいる男の目の前にフワリと姿を現すと「は…」と目を丸くしている



そりゃそうだろう。気配がなかったんだもん

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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年8月27日 15時

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