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『寒いからあったかいのでいいか〜』
「瑞姫!!!」
『ぎゃーー!!!』
キッチンに勢いよく飛び込んできたのはアッシュで、持っていたペットボトルを取りこぼしそうになった私は、バックンバックンと心臓を早鐘させた
『びっくりした…え、なに？』
「瑞姫！」
『え、あ、はい』
「ウエディングドレス！」
『う、うん？』
「俺のために着てくれ」
『唐突』
ズカズカと入ってきて肩を掴まれて真剣な眼差しで言われた私は冷静に突っ込んだ
いや、わかってる？そんなことやってる場合じゃないんだよ？
「なにもかも、全てにケリがついたら、俺がウエディングドレスを着せる…だから、俺のために着てくれ」
『…………………ん!!?(ﾎﾞｯ』
それはもはや、プロポーズではないんですか？
『えっと、それって…その、勘違いじゃないならいいけど…結婚しようってこと？』
「………えっ、あっ、いや！その…」
気づいたのかアッシュは片手で口元を押さえた後、「違っ…いや、違わなくて…いや、そうじゃなくて」と頭を抱えている
すごい…あのアッシュが真っ赤になってる
タコみたいに真っ赤になったアッシュに、『ははは』と笑っていると、バツが悪そうにこちらを見ている
涙が出るほどおかしくて笑っていると、「なんだよ」と膨れた顔で聞いてきて、『んふふ…っふふ！』と笑うと「あーもー！笑うなよ！」と怒ってくる
『はーー…笑った笑った』
「ちぇっ…」
拗ねたアッシュに『嬉しいなあ』と言うと、拗ねた顔でチラリと見てくる
ただそれだけが可愛くって仕方ない。そりゃまだ18の男の子だもんね
ねぇ、アッシュ
『じゃ、アッシュはタキシード着てくれないとダメだね』
「…！とびきりいい男になってやるぜ？」
『あははは！』
「おい、なんで笑うんだよ」
ウエディングドレス着てくれってことは、つまり…
アッシュは私と一緒にいてくれるってことだよね？
(っていうか、指輪とか何も用意してねえのにプロポーズしちまった感じが…)
(…E組の中で1番早くに結婚しそうな気がしてきたんだけど…)
まあ、いいか
なるようになれ、だ。なにごとも
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2021年8月27日 15時
