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アッシュたちの帰りを待ちながら、相手が群狼でないことを願っていると、夜遅くにアッシュが戻ってきた
ケインたちは、先に戻ってきて今は休んでるし、撃たれた子も今は安定してるから目を離しても大丈夫だろう
『おかえり』
「まだ寝てなかったのか…」
『銃の傷は発熱しやすいんでしょ?』
「大丈夫さ…痛み止めを飲ましたんだろ?なら大丈夫だ」
『…うん』
「どうした?」
覗き込んでくるアッシュに『相手のこと、わかった?』と恐る恐る聞いてみると、「あぁ」とスマホを操作したアッシュは素直に見せてくれた
『これは?』
「奴らの正体がわかったんだよ。軍人だ」
『っ!』
「元コルシカ駐屯の外国人空挺部隊…傭兵だ」
『(ドクン…ドクン…』
震える手でスマホの画面をスクロールしていくと、顔写真が違った
違う、私の知ってる傭兵の人間たちじゃない
『過激派テロ組織の拠点を襲撃後、撤収中に輸送機の爆発事故に遭遇して、部隊は2004年に全滅して死亡?指揮官はエドアルド・L・フォックス?キツネ?』
「あぁ…」
写真を見ると、左頬に傷があった
見覚えのない男にホッと一息つくと、「マックスが狙われたんだ」とアッシュが言った
『マックスが!?』
「あぁ、今部屋にいるよ」
『連れてきたんだ…大丈夫なの?』
「あぁ」
『…そう、よかった』
「………瑞姫、お前…傭兵って聞いて何か心当たりあったのか?」
『…え?』
アッシュに言われてドキッとした
目を泳がせて『えー?そんなことないよー?』と言うと、グイッと顎を掴まれた
「正直に言ってくれ」
『………………わ、かっ…た』
有無を言わさない目で見てきたアッシュに、観念するように言うと、ゆっくりと離してくれた
『中3の時、国が最後の手に出てきた…学校にバリアを作り、空からレーザーを振り落とす…
地の盾、天の矛…そう呼ばれた…そして、私たちの学校の周りを守るのは…群狼という名で知れ渡った傭兵集団…ゲリラ戦や破壊工作のエキスパート』
「群狼?」
『…うん。30人にも満たない人間が、世界中の山岳や密林で恐れられた彼らは、少人数で広い山の中を防衛するには適任だった…
その群狼を指揮するのは、神兵と渾名されるクレイグ・ホウジョウ』
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年8月27日 15時