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「誰にやられた?中国人か?」
「ち、違う。スーツを着た白人の男たちだった」
「…ゴルツィネの手下か」
『群狼じゃ、ない…』
だけど、スーツを着た白人…あいつは、どうだった?
思い出せ…!黒髪の…白い肌、メガネかけてて…眼鏡外したら本気出す…
(変人か…)
「大変だ!今度は「ハーレムチキン」がやられた!」
『どう考えても群狼でしょ!!!』
この手際の良さといい、地形を把握してるといい、どう考えても群狼だ。あいつらが相手だとして、私1人で勝てるか?
勝てない…私1人じゃ…ここには訓練された暗殺教室のみんなもいない。かといって彼らを巻き込んで戦うにはあまりにもリスクが高い。軍人とギャング、どちらに犠牲が出るかなんて目に見えてる
「ちくしょう。なんで俺たちの溜まり場を知ってやがんだ…」
『とりあえず、止血しておくから動いちゃダメだよ』
「あ、あぁ…っ」
タオルを当てて、応急処置を施していく
こういう時、竹林からもっと聞いておけばよかったって後悔するんだよね
「お前たちの誰かが、裏切ったんじゃねえだろうな?」
「なんだと!?」
「ラオ!」
「よせ、ケイン」
「…すまなかった…。今のは忘れてくれ」
「とにかく、襲われた店に行ってみよう」
一触即発だったのがなんとか収まり、シンたちが出て行ったのを見てから、アッシュはケインに耳打ちした
「さっきの話は内密にしてくれ。今は仲間割れしてる場合じゃない
ただし、あいつらから目を離すなよ」
「ああ」
「…瑞姫、お前も…1人になるなよ」
『うん、大丈夫!この子は私が見てるから大丈夫だよ』
「すまない、瑞姫」
『いーっていーって!』
2人が出て行った後、何か使えない薬はないか探し始める
痛み止めぐらいしかないし、化膿止めとかも…救急箱のくせに働かないなぁ
『ごめんね、痛み止めぐらいしかないんだけど…』
「いや、大丈夫だ…すまねえ」
『気にしないで』
コップに入れた水と薬を手渡すと、ごくんと小さく飲み込み薬が詰まらないように水を飲ませる
もしも、今回のことで群狼が動いていたとしたら…私は、どうすればいいんだろう
アッシュたちを守るために何かできること…
無理だ…勝てない…烏間さんの3倍も強いのに、みんなで勝ったのに私1人でなんか勝てるわけない…
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年8月27日 15時