65話 仲間の時間 ページ11
「そんな悪い人には見えなかったけど」
『まあ、私から見たらお人好しのおじさんって感じだよ。初めて会った時、そうだったもん』
「へぇ…」
「ふん、奴が聞いたらどんなツラするか。あいつはプロの殺し屋だ
俺は人の殺し方をあいつに教わった。ディノのもとで2年間…あいつは俺の教師だった」
「…そんなすごい奴が、月龍と」
『へえ、アッシュは2年かけて教えてもらったんだ。じゃ、私の方が短期間で教えてもらえたってことか』
「お前、人の殺し方知ってるのか？」
『うん。中3の時に超生物の暗殺を依頼されたからね』
「…あぁ、なんか言ってたな…カルマと」
『うん。私は射撃成績でも上位だったし、ナイフの成績は…まあ、中位かな』
「何人中？」
『28人中。律は数に入んないんだけどね』
あははは。と笑っていると、ふと何かが見えた
紫色のパーカーの私よりも小さな男の子
「そういや、瑞姫…お前のその恩師って…瑞姫？」
『………………』
「おい、聞いてるのか？」
『シン…』
「え？」
「シン!?」
傷だらけの体を引きずって建物の脇からよろよろと出てきたシンが見えた
フードを被り、屋上のヘリに足をかけてバッと飛び出す
「瑞姫!?」
「白樺さん!?」
フリーランニングの要領で飛び降りて窓に足をかけてひょいひょいと飛び降り、シンのところに駆け寄ると路上に倒れ込んだシンに呼びかける
『シン！シン！』
気絶したシンをおんぶして、アッシュたちのところに戻りソファに寝かせた
お湯を持ってきてもらい、タオルをつけて絞りシンの傷口を丁寧に洗っていく
「…慣れてるの？」
『カルマと渚が殴り合いした時に手当て任されたんだよ』
「えっ!? カルマくんとあの渚くんが？」
『うん』
カルマはともかく、渚が喧嘩の土俵に立つとは思わなかったけど、でもそうしないとみんなのためにならなかった
まあ、今はそんなことよりも
「う……う…」
『！シン、聞こえる？』
薄く目を開けたシンを見ると「瑞姫…？」と小さな声が返ってきた
『気がついた？』
「俺の仲間は？仲間はどこだ！」
ガバッと起き上がったシンはあたりを見回していた
急に起き上がったシンにアレックスは、「他の場所へ連れていかれた」と言った
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 30人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2021年8月27日 15時
