大王女様と山猫小僧7 (ページ24)

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『……あれ？弾って…ジャムっちゃったの？』

「馬鹿野郎!!!」

アッシュが銃を取り上げると、すぐに弾倉を確認すると弾が入っていないのに気づいた

「お前…実弾が入ってたら…死んでたんだぞ!!! わかってんのか!!」

『でも入ってなかったじゃん…』

「入ってなくてもだ！この馬鹿!!」

『うっ…』

怒鳴ってくるアッシュに『そこまで怒らなくてもいいじゃんか…』と涙目で反論するも、アッシュは聞いてくれなかった

「どうして…」

『…？』

「あんな奴のために…なんで、なんでそんなに簡単なんだ!!」

『…何言ってんの？死んでみせろって言ったの、あんたじゃん…』

「お前…」

『そりゃ、本気で死のうとは思ってないよ…』

「頼むから、やめてくれ」

顔を青くしているアッシュに『う、うん…』と頷くとアッシュは「俺だって迷いなく引き金を引ける…もちろん、瑞姫が言ったことは俺も同じだ」とアッシュは言う
その言葉を聞いた月龍はさらにショックを受けた顔になる

「もうよしなさい。こいつや彼女は本当にあなたが何を言ってるのかわからないんですよ」

『いや、そんなことはないけどね？』

ブランカさん、私だってそう言うことはちゃんと弁えてるつもりなんですけどそう見えなかったってこと？
ちょっと、一応命の重さを理解してる人間の行動ではないことはわかってたよ!?

「これまでに集めた「バナナフィッシュ」に関する全ての情報を提出し、ドースン博士を引き渡すこと
時間は48時間。守られなかった場合、ただちに奥村英二を殺す
そして仕事が済んだらキミはムッシュウに引き渡される」

「元のあるべき道に戻るだけだ。お前を最低の男娼として働かせてやろう
どんな娼婦も耐えられないようなことを経験させてやる」

『……………』

アッシュを睨むようにして見下ろしているゴルツィネに『うーーん…』と小さく唸る
さて、どうやってここからアッシュを連れて逃げるかな…

「この条件をのめば、英二は安全だ。もちろん、瑞姫さんもね。日本へ帰って平穏な一生を過ごすだろう
そして、キミのこともやがて忘れる
…キミは何もかも失うんだ。探し求めた真実も、兄の復讐も、仲間の信頼も、自由も」

『………………(ﾌｰ』

目の前で酷い言葉を並び立てる月龍に私は怒りを霧散させるように息を吐いた