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「いや、悪い…俺の方がどうかしてる」
アッシュは謝るとこちらに歩いてきた
「日本は、どんなところだ？」
「うーん…人がいっぱいいるよ、車もね」
「なんだ、それじゃここと変わらない」
「東京はね。僕の故郷はそうでもないよ」
「どこだ？」
「島根県出雲市、出雲は神様の国なんだぜ」
「ギズモ？」
「違うよ、それじゃグレムリンだ。イ・ズ・モ、だよ」
「イ・ズ・モ」
『オックン、島根の人なんだ〜。いいなあ、出雲…』
「白樺さんは、東京？」
『うん、椚ヶ丘市だよ』
「ぐ？」
『ク・ヌ・ギ・ガ・オ・カ』
「ク・ヌ・ギ・ガ・オ・カ」
そうそう、とオックンと頷いて笑い合った
「日本には、800万も神様がいるんだぜ
トイレにだって神様がいるんだ。貧乏の神様なんてのもいるんだから」
「そりゃ、ひいきにされたくない」
『いやほんとに、貧乏とかやめてほしいよね。磯貝が可哀想だよ』
「磯貝くんって、家が貧乏なの？」
『母子家庭なんだよ。校則で禁止されてるバイトをしたせいで、クラスから追い出されて落ちこぼれのクラス落とされたんだ
まあ、私はバレーしすぎて勉強疎かにして一緒のクラスに落ちたんだけどね』
「そうなんだ…」
『この間きた渚とカエデちゃんも同じクラスだったんだよ。カルマもね』
「へぇ…」
『まあ、カルマは暴力沙汰で停学食らってたんだけどね』
「笑い事じゃないだろ」
アッシュが呆れながら笑っていると、「日本か…行ってみたいな…」と言った
私は嬉しくなって『ぜひ連れて行きたいなぁ』とアッシュの手を握った
「みんな、びっくりするんだろうな。妹なんかブッ飛んじゃうぜ」
「なんだそれ」
『日本に来たら私の恩師に紹介したいよ。アメリカで出会った素敵な友達だって言ってさ』
「友達って紹介するのか？」
『恋人って言ったら絶対下世話になるからね』
殺せんせーに教えてあげたいよ
このアメリカに来てからの出来事、全部
そして、そこで出会った大好きな人のことを
オックンが話し疲れて眠りに入ったのを確認して空いた皿を持って部屋を後にする
ダイニングのキッチンで洗っていると、ギュッと抱きしめてきたアッシュ
『どうかした？』
「……………瑞姫」
『んー？』
「お願いがあるんだ」
『？』
食器を置いてアッシュに振り向くと「今日、お前を抱きたい…」という懇願する声で言われた
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2021年8月25日 20時
