大王女様と山猫小僧6 (ページ9)

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『大体さ、どいつもこいつも狙うのが高すぎるんだよ…なんなの？教師とか外交官とか…スポーツマンが理解できるような人知超えてるんだよッ』

「僕にとっては、スポーツマンもなかなかレベル高いよ…」

図書館を出たところで捲し立てるように文句を言う
誰だよ、官僚だの政治家だの目指し始めたの。仕組みを理解するの大変なんだからね？

『もうこうなったら、アドバイスブック借りて読むしか…いやあれはアコーディオン並みの分厚さであって、もはや辞書の領域超えて…あーーーッ!! アドバイスブック全然読んでない!! やばいじゃん！』

「落ち着けよ…」

だめだ…アドバイスブック毎日読んでも読み終わる気がしないし、あれろくに索引作られてもそのページに行き着くのに数分有するんだよね。馬鹿じゃないって思ってたけど、泣きながら読んだから全然どのページに何が書いてあるのか全然覚えてないから、結局は意味がない

(もうあれから、３年半は経つんだ…)

殺せんせーを暗殺してから、3年半が経つ
それはつまり、時間の流れがあるということを意味していて、あの頃にはもう戻れないと言うことがよくわかる

こうして、異国の地にいるということ、ナイフと銃といつもいた先生の面影も姿すらもないこと…そして、共に学び殺しあったE組のみんなもいない

『時間って…遅いようで速いんだね』

「？」

移動販売車に向かうアッシュの後をついていきながら独り言を呟いた
アッシュはチリビーンズ入りのホットドッグをオックンに差し出した

「食えよ、アメリカン納豆ドッグだぜ」

(根に持ってるな…納豆のこと)

普通のホットドッグを買って頬張り、J,オーウェン・グランディー・パークまで歩いた

柵にもたれて夕日に染まる海を見つめていると、「ここへはよく来るの？」とオックンが聞くと「ときどきな」とアッシュが返した

「自分の巣食ってる場所がどんなところか、見たくなる時に」

「昨夜のことだけど…たとえ嫌なことでも、思ったことを言えるのが本当の友達だと思ったから…キミを傷つけるつもりはなかったんだ…ごめん」

『私も…ごめんね。アッシュの才能に嫉妬してた』

「わかってる。図星を指されれば、人間誰でも腹が立つ。それに、瑞姫に関しては俺も謝らないとな」

『んーん、アッシュは悪くないから謝らなくていいよ』