大王女様と山猫小僧6 (ページ42)

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50話鬼の時間ページ42

アパートに戻ってきてベッドに項垂れてティッシュ片手に部屋の中ズリズリと這いずり回っていると、やはりお腹は空くもので、仕方なくダイニングに向かい冷蔵庫からお腹に優しい食べ物を取り出す

むぐむぐと食べていると、ピンポーンというインターフォンの音がした
誰だろうか、宅配か？そう思って玄関に向かい、覗き穴から見た後、バターーン！と部屋の扉を閉めた

『…………』

「白樺さん、誰かきたの？」

『オックン、開けちゃだめだ…開けたら私の人生終わる』

「えっ!?」

「誰がきたんだよ…」

「おい、瑞姫!! いるんだろ！開けろ!!」

『ぎゃーーー!!!』

ドンガンとドアを叩いているのを聞いて、オックンは「日本語？」と首を傾げてドアに歩み寄って行き、鍵を開けた

勢いよく開いたドアからはスーツケースを手にして男らしい格好した男の子が立っていた

「瑞姫、出てこい」

『あ、あははは…久しぶり〜…って、何持ってんの!?』

「バレーボールに決まってんだろ、バカか」

『ねえ、待って？それをどうするつもりなの？まさか…まさか…』

「てめェに当てる以外に何に使うんだ馬鹿野郎が!!!」

『ぎゃーーーー!!! 暴力ハンターーーイ!!! いったあ!!?』

「うるせえ、瑞姫!!」

『ぎゃーーー!!!』

眼を釣り上げて追っかけてくるのに対してドタバタとダイニングの中を逃げ惑っていると、顔面にバレーボールが直撃した

「このバカが!! どんだけ心配かけたら気が済むんだ、バカが!!」

『バカしか言ってないよ…』

胸ぐらを掴んできて思い切り鼻に当たったので鼻をさすっていると「で、瑞姫」と落ち着いたのかじっと見てきた

「どっちがお前のだ」

『ん??』

「お前を泣かした奴だ」

『ちょっと落ち着こう!?』

「白樺さん、その人は…？」

「英語で話してくれ」

オックンとアッシュを見ると、「おぉ、外国人か」と感心しているのに対して『この子は』と胸ぐらを掴まれたまま自己紹介をする

『幼馴染の健ちゃん』

「深澤健一だ」

『です』

「白樺さんの幼馴染くん!?」

「でかいな…ごつい」

「で、どっちだ」

『健ちゃん、ちょっと落ち着きなよ』

やる気満々じゃん、健ちゃん
ちょっと落ち着きなよ。白樺さん、ちょっと色々整理したいんだけどね