大王女様と山猫小僧6 (ページ33)

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『私のせいでショーターが死んだ！私のせいでアッシュは大怪我した！あんたに、あんたに何がわかる！』

胸が張り裂けそうなほど辛くて涙が溢れてきそうなのを必死に耐えた
耐えきれなくなって、こぼれ落ちて行く

『あんたに、わかるもんか…わかるもんか!!』

それだけ吐き捨てて闇夜に足を向けた
オックンと並んで夜道を歩き、夜が明けたニューヨークの街をひたすらに歩き続けた

アッシュが死んだ、私たちの行くところなんてどこにもない
そりゃそうだろうね…私はアッシュのところにはもう戻れない上にアッシュとは友達になっちゃった

いや、友達と呼べるのかもわからない

「白樺さん…」

『…大丈夫。とりあえず、電話できるところ探さないと…』

ふらついて街頭にもたれると、「どうした、気分が悪そうだな」と柄の悪そうな男たちが近寄ってきた

「俺たちが家まで送ってやろうか？」

「…結構です」

『別に気分も悪くないから』

強めにあしらうと、「遠慮するなって」と口を塞いできた

「大人しくしろ！」

「っ！」

『こんっの…！』

ピクピクと眉を動かし、大きく口を開けてガブリと男の手を噛むと距離を取りオックンを連れて行こうとする男を蹴り上げる

「なっ！てめぇ！」

その時、細いワイヤーが男の頭に突き刺さった

「なんだ、てめえ！」

「誘拐は高くつくぜ」

「なんだと、このガキ…」

『…シン』

「！チャイニーズのボス、シンだぜ」

「く…くそっ！」

尻尾を巻いて逃げて行った男たちに「ったく」とシンが呆れたため息を吐いていると、ドサッと地面に何かが倒れた

「おいっ、あんた！」

『オックン？オックン!!』

気を失ったオックンを揺さぶってみても起きる気配がなく、どうしようか悩んでいるとシンが「こっちだ」とオックンを連れて自分のアジトに案内してくれた

ベッドにオックンを寝かせると、「瑞姫、手を見せて」と言われた
シンの手には救急箱があり、私の血濡れた手を手当てするらしい

素直に手当を受けていると、『怒ってる？』と聞いてみると「なにが？」とキョトンとした顔で聞いてきた

『…月龍に、銃を向けたこと』

「怒ってねえよ。それに、いきなり屋敷に連れてったのはあいつだからな」