大王女様と山猫小僧6 (ページ32)

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エレベーターのドアが開くと、中からシンが現れた
状況を察したのか、身構えたシンにギンッと睨みつけた
それと同時にオックン以外に向けて重苦しい殺意を剥き出しにすれば、シンは怯んだ

エレベーターから降りたシンを見た後、月龍を押し込み銃を向けながら中に入りそのままエレベーターで下に向かい地下駐車場にいく

ベンツに乗り込み、オックンを後部座席に、私は助手席に座って運転させる
しばらく走ったところで『止めて』と言って車を路肩につけさせると、先に降りて周りを見た後後部座席からオックンをおろし自分の後ろに隠すようにした

「どこへ行くつもりですか？」

オックンを守りながら歩道を歩いて行くと、運転席から降りた月龍が聞いてくると「アッシュは死んだ」と言う

「キミたちの行くところはどこにもない」

「そんなこと…信じない。これは何かの企みだ」

「一つだけ言っておこう、英二、瑞姫さん。キミたちの言う通り、アッシュが生きているとしたら僕は彼の敵に回る。…たった今、そう決めたんだ」

『…………勝手にすればいい。アッシュを傷つけたら絶対に許さない』

持っていた銃を握っていると、「僕と彼は太極図の陰と陽だ。生き延びるためには、強くなるしかなかった
選んだ道はずいぶん違ってしまったけれどね」と鋭い目つきでこちらを見ている

「僕は彼にとって恐ろしい敵になるだろう
だからはっきり言っておく。これからも僕はキミたちを狙う。キミたちが彼の唯一の弱点である限り」

『好きにすればいい。殺したければ殺せばいい』

「白樺さん…」

ガシャンッとロックをかけた銃を月龍の足元にまで投げ捨てると、「どうして撃たないんだ、アッシュのために僕を殺せばいい」と言ってきた

『………』

「アッシュなら、ためらわず引き金を引く
たとえアッシュのためでも、キミは自分の手を汚すことができないってわけだ」

『人の命の重さすら知らないあんたが、殺すとか簡単に言うなよ…』

「それがなに？アッシュならキミたちのためにためらわず自らの手を血で汚す
キミたちを傷つけないために自分を傷つける！」

『私たちがいつアッシュにそうしてと頼んだ!! アッシュが勝手にしてるだけだ！』

「フェアじゃない、全くフェアじゃない！」

『いい加減にしてよ!! あんたにアッシュの気持ちがわかんない!? どれだけアッシュが、私のせいで傷ついたのか知ってんの!?』