46-4 ページ21
「…そういえばお前、ガールフレンドは？」
「なっ、なんだよいきなり！」
「どうして？いるんだろ、日本に」
「い、いないよ、そんなの…」
『うっそだあ!! オックン絶対モテるもん!!』
「そんなことないよ…」
(無自覚系か、腹立つな)
アレだアレ。オックンは年上の女の人から可愛がられるやつだ。年下からは好かれてるし、同年代の子達には多分さりげないアピールされてても気づかない系だ
渚かよッ
「そういうキミや白樺さんはどうなんだよ、モテんだろ？」
「まあな」
『白樺さんに彼氏がいないこと知ってたよね？オックン、喧嘩売ってる？ん???』
「え、でも…」
『別れました』
「うそ!!?」
『マジ』
「おい、英語で話せ」
オックンが驚いている横で『まあ、いいけどね』とヘラリと笑う
オックンは「そっか…」と笑っている。笑い話にしたことに気づいたらしい
「ボスの女になりたがる女なんて、ごまんといるよ
ま、そんな奴らは願い下げだけどな…」
『………………』
「でも、14の時、本当に好きになった子がいたんだ」
『………………………』
聞きたくない、なぁ…
口をつぐみながらオレンジジュースを飲むふりをしていると「へえ、やるじゃんか。で？どこまでいったの？」と身を乗り出して聞いたオックンに私は内心やめてと叫んだ
「いく前に死んじまったのさ。殺されたんだ
俺の女に間違えられて…助けられなかった…」
『………………』
「……」
「また、アイム・ソーリーか？まともな世界の人間と付き合うなんてことは、もう周りが許してくれないのさ」
『それは違うよ』
「え？」
どれだけ人を殺したとしても、どれだけ罪を重ねたとしても、人はちょっとしたことで変われることができる
『人を殺しても、罪を背負っても、人は変われる…
きっかけがあれば、人は変われるんだよ…まともな世界とかどうでもいい…自分の人生楽しまなきゃ損じゃん』
「……………そうだな」
『でも、私やオックンの存在がアッシュの重荷になってるって言うんならさ』
「いや違う!! そうじゃない！」
言いかけたところでアッシュが身を乗り出すように言って、私は目を瞬かせた
アッシュは「…よそう」と小さく言うとソファに座り直した
「この話をすると喧嘩になる。今夜ばかりはギャングもカタギも休業さ」
「あぁ…」
『そだね』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 30人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2021年8月24日 18時
