大王女様と山猫小僧6 (ページ18)

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46話ハロウィンの時間ページ18

『……オックン、何してんの？』

「ハロウィンの準備だよ！」

『…フルカボチャじゃん』

部屋の中に撒き散らされているのはカボチャだった
しかも、くりぬき始めている。なるほど、ジャック・オー・ランタンを作るおつもりですね

「白樺さんもやってみる？」

『うん』

ナイフを受け取ってカボチャをザクザクと彫っていく
コングとボーンズも一緒になってカボチャを掘り始めていると「あれ」とボーンズが私の膝に気づいた

「瑞姫、膝どうしたんだ？」

『うーん、ちょっと痛めちゃって…ボーンズ、この辺りで整形外科とかある？』

「あるぞ」

『そっかぁ…明日って開いてる？』

「んー、年中開いてるから大丈夫だ。なんだ、行きたいのか？」

『ちょっとね…ついてきてくれる？』

「おう」

ボーンズがカボチャを掘りながら頷いてくれると、「どうかしたの？」と飲み物を持ってきてくれたオックンに『んにゃ、なんでもなーい』とヘラリと笑っておいた

部屋に戻って必要なものをボディバッグに詰め込んで明日の用意をしておいた
アッシュはいつも通り、私は軽い筋トレをしてソファに座ってぼーっとする

『だめだぁ…なんかしたいのにする気が起きない…』

「白樺さん、ボールでの練習はしないの？」

『レシーブの練習とかサーブとかトスの練習とかしたいけど、あいにく部屋の中でできるようなことじゃないしね
かと言って壁打ちできるような場所もない、よって筋トレぐらいしかない』

「バレーボールも大変だね…」

『爪の手入れもしておいたりとか、セッターは余計に疲れちゃうよね〜』

たはーーっと笑っていると、スマホのバイブに気づいた
件名は健ちゃんからで《ハトリとヤマコウの試合映像》とあった

タブレットに移行させて、イヤホンを挿して再生する

『…………………………』

(バレーボールの試合？)

「？」

じっと見ながらいると、やはりハトリのサーブで苦戦している選手が大勢いた
あいつは左で打つから回転が変わってレシーブがしにくいんだ

『………ケッ！あんなやつ、けちょんけちょんにしてやるのに！』

ヤマコウの試合映像まで見た後、頭の中でセットアップやチームの動かし方、サーブの威力を事細かく頭の中のメモに書いて行く