大王女様と山猫小僧5 (ページ46)

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「…キミは肝心なことになると、なにひとつ話してくれないんだね
僕はそんなに頼りない？」

「別に…そんなつもりじゃない」

「いや、ごめん。僕の安全を考えてくれてるのはよくわかってるんだ
ただ、キミの手助けができないのが悔しくって…」

(オフィスの写真撮ってる時点で十分手助けじゃない？)

私の心の中のツッコミはオックンとアッシュには伝わることはなく、ふとパソコンを見た

『…ん？』

何かに気づき、オックンとアッシュを見た後ちょっとだけ席を外した
あのパソコンの中身、見れるかな…

オックンにあとでお願いして見させてもらおう

アッシュとオックンが出てきたのを機に、『オックン！』と後ろから肩を叩くと「ん？」と目を瞬かせてこちらに振り向くオックンに『ちょっと、お願いがあるんだけどね』と伝える

「え、パソコンの中身？」

『うん。写真が見たくて』

「それは全然構わないけど…」

『まじで？ありがとー！』

許可が降りたのと同時に部屋に戻り、スマホとパソコンを繋ぐことのできるコードを差し込み、カタカタとキーボードを叩いた

『…やっぱり、どっかで見たと思ったら……キッパードだ』

《瑞姫さん、ご存知なんですか？》

『んー、どっちかって言うと烏間さんがかな。共和党の議員だしホルストック陸軍大佐もいる…』

《かつての殺せんせーの件で関係した人間、ということでしょうか》

『多分ね…。律、この写真のコピーを大至急烏間さんに送ってくれない？』

《了解しました！》

(あとは…誰がいるか)

キッパード、ホルストック以外にも誰かがいるのだろう
その後ろ盾、コルシカ・マフィア以外を探るためにももっとオックンに写真撮ってもらわないとなぁ

『こりゃ忙しくなるぞ…』

カタンとパソコンの電源を落とし、部屋の電気を消してあとにする
与えられた自分の部屋に戻り、ボールを手に取ってオーバーの練習をする

『…うん、やっばり健ちゃんにトスあげたい!!』

ここ最近、バレーはしてないし高校の部活で健ちゃんにトスあげてないから今すぐにあげたくなってきた
でも健ちゃん、今は日本だし大学だし時差もあるしで多分今寝てるだろうなぁ…

『…健ちゃん恋しいなぁ』