大王女様と山猫小僧5 (ページ5)

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「2時間だ。2時間経ったら起こせよ」

「「イ、イエス、ボス！」」

「…瑞姫は？」

『うんにゃ、ちょっとやることあるからおやすみ〜』

ベッドに身を投げたアッシュはうとうとし始めてそのまま眠りに入った
布団をかけてぽんぽんと叩いた後『よし』と振り返る

こちらの様子を見ていた男の子…アレックスに『ねえ、ちょっと頼み事があるんだけど』と言うと、彼は眉を寄せ首を傾げた

『電話、貸してくんない？』

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《なにいっ!!!? 柳沢と接触しただと!!!? あれほど気をつけろと言ったばかりだろう!!!》

『ごめんなさい!!!』

…あれ、なんで謝ってんの？
いや被害者なんですけど

アレックスにスマホを借りて烏間さんに電話をしている
電話口からガミガミと怒っている烏間さんにへこへこと頭を下げる。いやまあ、この人には色々とお世話になったから頭上がらないし…実際そうだし

《それで、ファイルを受け取ったが…》

『カルマ、日本に帰ったの!?』

《あぁ…当分、アメリカに行くことはできないな》

『そっか…カルマは無事ですか？』

《あぁ…怪我もない。安心していいぞ》

『そっか…よかったぁ』

壁にもたれてズルズルとその場にしゃがみ込む
よかったぁ、何かあったら顔向けできないからな

《それで、キミは》

『…ねぇ、烏間さん』

《…？》

『私、強いのかな』

《…？どうかしたのか？なにかあったのか？》

『…友達が、死んじゃって…その薬のせいで』

《バナナフィッシュか…保護した彼の体内にもそのバナナフィッシュという成分があるとは聞いたが…》

『うん…』

《……辛いなら、戻ってきてもいいんだぞ…何もキミがしなければならないということはない》

『ううん、大丈夫』

ポケットに入れていたショーターのサングラスを取り出す
ショーターが守ってくれたこの命を、大切にしないといけないのはわかってる
だからこそ、この負の連鎖を断ち切るためにも

『やるよ、烏間さん』

《！》

『守ってくれた友達のためにも、1人で戦おうとしている友達のためにも…なにより大事な人たちを守るために』

《…E組にも説明しておく。なにかあれば、彼らに頼るといい》

『うん、お説教はしないでって言っててね？』