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中に案内してもらうと、ある一室にオックンを始めとするあの屋敷で会った男の子たちがいた
「ボスが帰ってきたぜ！」
「ボス！」
アッシュが中に入るとまたも仲間たちが取り囲み始める
ぎゅうぎゅうに押されながら『ぷはっ！』となんとか出てくると「白樺さん！」とオックンが駆け寄ってきた
「よかった！」
『オックン…』
駆け寄ってきたオックンを力一杯抱きしめると「え、えっと…」と戸惑った声をかけられた
『ごめん、ちょっとだけでいいから』
「……うん」
ぽんぽんとリズムよく背中を叩いてくれたオックンにじんわりと目が潤んでいく
ギュッと抱きしめて肩口に顔を埋めると「泣き虫だなぁ」と言われる
『…昔、友達がね』
「？」
『目の前で、殺されたことがあったの』
「…！」
『でも、先生が助けてくれたからよかったんだ…』
「白樺さん…」
『オックンが、そうならなくてよかった…』
「…………」
『もう、あんな思い…したくない』
今でも覚えてる
カエデちゃんの胸から飛び出す血飛沫、動かなくなった体も、生気を失ったカエデちゃんの顔も
蘇生してもらって生き返ったけど、それでも一度死んだことには変わりなくて…すごく怖くて、怖くて…
人が死ぬって、そういうことなんだって初めてわかった
「大丈夫だよ。僕は生きてるから」
『…うん。ごめんね、ありがとう』
「ううん」
涙を指で拭って、オックンから離れるとアッシュもこちらに歩み寄りオックンの近くに座っていた男の子…確か、アレックスと呼ばれている子だ
「あんたが戻ってきたからには、もうオーサーのやつにデカいツラはさせねえ！」
「まずは食料と服を。それからバイヤーの「チェック」に連絡を。あと、「フライ」にこれを用意するよう言っておけ」
「OK」
「あと携帯3台とタブレットを頼む。俺は2時間だけ寝る」
『…………………まじで？』
それだけ言ってベッドにバタリと倒れたアッシュに近寄り、ツンツンと指で突くと男の子たちが真っ青になっていた
「…スイッチが切れるみたいに眠っちゃったよ」
「…眠る時はな」
「え？」
その時、ガバッと起き上がった
突いていた指を上げて何もしてませんと訴えるようにすると、男の子たちが「ひっ…」と悲鳴をあげて全力で物陰に隠れた
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2021年8月22日 11時
