大王女様と山猫小僧5 (ページ13)

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結果は羽場真矢に次いで2位という成績で終わってしまったけど、その大会で私はベストセッター賞という大きな賞をもらうことができた

『この賞はこのチームのスパイカーが1番力を発揮してたって証拠だ！』

「それでもハトリとヤマコウはさらにその上かよ…」

『まぁまぁ。高校行ったらさ、今度こそ羽場真矢へこましてやる…!!!』

「当然だ」

ズビズビ泣きながら健ちゃんと決意し合う
私はハトリを、健ちゃんはヤマコウを絶対倒すと

『そして翔ちゃん！』

「!!」

『お前がこの先どう進むのか知らないけど、いつか戦う時はぶっ潰してやるから覚悟してなよ』

そして、翔ちゃんは椚ヶ丘から公立の学校に行った
決して弱くもなく特別強くもない学校に進学すると、バケモノじみたあのセッターとしての実力を発揮した

だけど、私が引退してからチームメイトとギクシャクしたらしいけどね

それでも、あのバレーバカの先をいく馬鹿が現れた

それこそ、有名なバレーアニメのような最強の囮が現れた
あの子が天才セッターの人間なら、私は努力のセッターの人間だ

それが当てはまることは1番自分でもわかってる

そして、高3の県代表準決勝ファイナルセット、相手のマッチポイントでこっちのタイムアウト

「あの土壇場での強気も、セッターの資質ってやつだな」

『……………。…才能開花のチャンスを掴むのは今日かもしれない
もしくは、明日か明後日か、来年か…30歳になってからかも…
体格ばかりはなんとも言えないけど、ないと思ってたら多分一生ないんだ』

才能は開花させるもの

センスは磨くもの

それでも、負けてしまったけど…

ー体育館内ー

久しぶりにクラブチームのみんなと集まってバレーをして、椚ヶ丘の高校にクラブチームのみんなもいて、すごく楽しくて、ラーメン食べて体育館戻って、みんなでバレーして

『…みんな、ちょっといい？』

「馬鹿！やめろって！せっかくいい感じなのに！」

『うるさい!! 中学から6年間、ありがとう!!!』

男子女子関係ない。みんな、バレーボールが大好きなんだ

みんなと別れて健ちゃんと一緒に長い道を歩く
お互いに県予選は準決勝敗退で終わったけど、それでも終わることはない戦いに前を向こうとしていた時

「お前は多分、ばあさんになるくらいまで幸せになれない」

『なに!? いきなりなんなの!?』