元殺し屋は呪術師となる6 (ページ9)

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すごい、その言葉しか出てこなかった

圧倒的だった

数分にも思えるその光景に僕は呆気とするばかりで、ただ介入することができなかった

『“久しく使ったことのないものを使うと、どうも疲れるな…”』

「…………」

『“そんな顔をするな…この体は本物ではない…”』

「………青子は」

『“安全な場所にいる。最も、安全とは言い難いがな”』

その時、足元に何かがあるのに気づく

「獄門疆開門」

「まずは生きた結界、源信の成れ果て
獄門疆に封印できないモノはない」

「だが流石に、封印条件はあるのであろう？」

「1分だ」

「は？」

「獄門疆開門後、封印有効範囲半径約4メートル以内に、1分間五条悟か夜神月青子を留めなければならない」

「おい、焼き殺すぞ。よもや、その無理難題を押し付けるために手を組んだのではあるまいな？
その条件下でアレらの1分。蒙昧な人間ども、その一生を幾千積み重ねても釣り合わんぞ」

「暑いよ、漏瑚。大丈夫、1分と言ってもね」

ﾄﾞｷｭﾄﾞｷｭ

『“ふむ…これは、なんとも不気味なものだな”』

僕が逃げようとした時、「や、悟」と聞き覚えのある声が投げられた

「は？」

「久しいね」

そこにいたのは、自らの手で去年殺した親友

偽物？

変身の術式？

全ての可能性を、六眼が否定する

(本物…!!)

そして、五条悟の脳内に溢れ出す

3年間の青い春

「大丈夫、1分と言ってもね。五条悟の脳内時間(・・・・)で1分だ」

刹那

だが、彼の脳内では1分などとうに

ﾄﾞｷｭﾄﾞｷｭ

「っ！」

『“あぁ、やられたな…それにしても、獄門疆か…グアバリャから一度聞いたことがあったが実在していたとは…僕をやめたのはいい判断だ”』

「ダメじゃないか、悟。戦闘中に考え事なんて」

(呪力が感じられない。身体に力も入らん……詰みか)

『“ふむ…確かに自力では出ることはできないだろうな…
僕がお前を助けることはないし、借りを作ることもない…利害の一致としてお前を守っていたが、死んでも僕には関係ない”』

「ご辛辣なコメント、どうも…っ」

歯噛みしながら青子の姿をしたなにかに言う