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「俺の国でも、蝗害はあった…てめェはバッタのおかげで、人は飢え死、死にゆく一方だった
ロレイが住むスラムなんざ、それがいい例だ…けど」
男の脳裏に浮かぶのは、たった1人の少女だった
「それ以上に、てめェらはアイツのことを舐めすぎたんだよ」
男は「さて」とくるりとバッタに背を向けた
「そっちはどうにかしろよ…女王陛下」
ー五条side・地下5階 副都心線ホームー
ホーム内では呪霊が逃げ惑い、一般人を盾に放り投げていく。僕はそれを眺めている
だって参加したくても無理なんだ
青子がハイになってるから
今入れば確実に足手纏いになる可能性が高い
(花御の死を無駄にするな。人間に紛れて展延によるヒットアンドアウェイに徹するのだ)
『鬼ごっこぉ〜？私それ、だぁいすき♡』
「脹相!! 協力しないのであれば、貴様から殺すぞ!!」
『鬼ごっこ、しようよ〜』
蒼眼は瞳孔が開きっぱなしになっており、ずっと笑って呪霊を追いかけている
(つかず離れず、でもそれも限界だ
呪霊が見えない人間が、
このまま人が減り続け、スペースができれば火山頭を捉えられる
さっきみたいに術式を解いて誘うのはなしだな…コッチの狙い、近接フルボッコはもう晒したし距離を取って九相図と連携して人混み越しに大技出されんのも面倒だ
悪いけど、私の世界の住人じゃないあんたらを全員助けるのは無理だ。助ける義理もない)
(いいのか？)
(どうせこの世界に未練なんてない。死ねばいいさ…ただ、あの子たちが生きてさえいてくれればいい)
(……………いつでも代わるぞ)
『うん、ありがとう…』
ゆっくりと青い瞳が緑に変わる
『“その代わり、痛ぶって八つ裂きにして絶対にぶっ殺してやる”』
(まだか…!? もう20分は過ぎたはずだ!!)
ー東京メトロ 明治神宮前駅 地下4階ー
「すごいね、虎杖くん」
「なにが？」
「正直な話、もう少し手こずると思っていたよ」
「？」
「キミ、もう十分1級レベルだよ。術式なしでここまでやるのは日下部以来じゃないかな」
「ん？どゆこと？」
「キミが“帳”を上げたんじゃないのかい？」
「いや、俺何もしてないけど」
「え？」
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2022年5月21日 14時
